AREA15がラスベガスに開業、アート、アトラクション、飲食を一つの倉庫型施設へ
各テナントの体験を共用空間とイベントでつなぐ複合施設が営業開始。後にOmega Martを迎える拠点が先行開業した。
AREA15は2020年9月17日、ラスベガス・ストリップの西側で一般営業を始め、翌18日に開業を発表した。大型の倉庫状建物に、アート、ライド、物販、飲食、イベント会場を集めた複合型のエンターテインメント施設である。開業週末の予約枠は、受付開始から24時間以内に埋まった。
共用部も体験の一部にする
施設では各テナントの入口だけでなく、中央の共用空間「The SPINE」や屋外にも大型作品を配置した。建物への入場自体は無料で、個別のアトラクションや飲食に料金を設定した。来場者は予約した一つの体験だけを訪れることも、共用部を歩いて別の小規模体験へ移ることもできた。
開業時は事前登録とマスク着用を求め、入場人数を抑えながら営業した。中心施設として予定されていたMeow WolfのOmega Martは翌年の開業となったため、AREA15は先に共用空間と一部テナントを稼働させた。
初期の体験には、鳥の飛行姿勢と風を再現するVR装置「Birdly」、光と音を扱う「Museum Fiasco」、Blue Man Group共同創設者Chris Winkによる「Wink World」が含まれた。Walltopiaが設計した「Haley's Comet」は、館内上部を走る電動式の二本並列サスペンションライドとして計画された。アートを見る、VRを使う、身体を動かすといった異なる参加方法を同じ施設へ集めている。
内容を入れ替えられる器を先に整える
常設の複合施設でありながら、イベント、展示、テナントを更新できる余地を持つ。Fisher BrothersとBeneville Studiosは、2018年5月に建設へ着手した。二層の黒い箱型建築を先に整え、その内部へ異なる事業者のコンテンツを導入できるようにした。運営会社が建物全体の世界観と集客を担い、各事業者が個別の体験を提供する構造である。
大型IP一つで成立するテーマパークとは異なり、規模と料金の異なる体験を集積して来場理由を増やした。開業後にはOmega Martをはじめとする新施設を加え、最初の1年間で200万人を迎えたと運営側は公表している。建物全体を完成済みの一作品として固定せず、テナントやイベントを入れ替えられる器として設計したことが、継続的な拡張につながった。
無料の共用部と有料体験を分ける
AREA15では、建物へ入る行為と各コンテンツを購入する行為を分けた。大型アートや独特な内装を見ながら共用部を歩き、興味を持った体験を選べる。最初から一日券を買うテーマパークより短時間で立ち寄りやすく、同行者が同じアトラクションへ参加しない場合にも滞在先を用意できる。
一方で、各体験の予約方法、対象年齢、所要時間は統一されない。施設全体の案内は、どこに何があるかを示すだけでは足りず、空き時間や同行者に合う選択肢をつなぐ役割を持つ。共用部のイベントや作品を更新することも、個別テナントを利用しない来場者へ再訪のきっかけを届ける方法となった。