ARTBAY TOKYO 2023、お台場を巡るAR作品「CIRCULATION BALL」を展示
STYLYが、臨海副都心の複数地点を歩きながらARボールの連鎖を追う都市型XR作品を公開した。
STYLYは2023年8月28日、「ARTBAY TOKYO アートフェスティバル2023」で都市型XR作品を展示すると発表した。会期は9月15日から24日まで。東京・お台場と有明の公園や広場を舞台に、スマートフォンを使って複数のAR作品を体験できるようにした。
ARボールを追って臨海副都心を歩く
中心作品の「CIRCULATION BALL」は、街全体を巨大な実験装置に見立てる。来場者が指定地点でSTYLYアプリを起動すると、現実の風景にARのボールや装置が現れる。花の広場、石と光の広場、夢の大橋、夢の広場などを移動し、場所ごとに起きる連鎖反応を見る。
作品が置かれたのは、フェスティバルが設定したA、C、Dの各エリアだ。会場全体はAからGまでの複数地点に分かれ、展示を追うには一つの建物内を巡るのとは異なる移動が生じる。海辺の景観や橋、広場を背景にARを重ねるため、同じ映像でも体験地点によって見え方が変わる。
体験には専用機器ではなく、自分のスマートフォンまたはタブレットを使う。現地の案内所でパンフレットを受け取り、地面の目印や看板にあるQRコードから作品を呼び出す。会場を一室に閉じず、地点間の移動そのものを作品の一部にした。
開催時間は午前10時から午後6時までと案内された。屋外展示は天候によって中止する場合があり、端末の通信状態や充電残量も体験の可否に影響する。来場者が自分の端末を使う方式は機材の貸し出しを減らせる一方、アプリの準備や操作説明を現地で補う必要がある。
長場雄のVR作品と子ども向けARも展開
会場では、アーティスト長場雄が日常の風景を描くVR作品「Everyday Life」も上映した。こちらはヘッドセットを装着して体験する。親子向けには、空間へ線を描く「AR空中らくがき」と制作ワークショップを用意した。
「AR空中らくがき」では、参加者が描いた作品を撮影してSTYLYへアップロードし、会場の空へ表示する流れを採った。完成済みの作品を見るだけで終わらず、自分の描画が展示の一部になる。日本科学未来館があるFエリアで実施され、都市回遊の途中に制作体験を組み込んだ。
同じフェスティバルの中で、スマートフォンAR、VRヘッドセット、参加型ワークショップを使い分けた。作品ごとに必要な端末と滞在方法が違うため、主催者はパンフレットと現地サインで入口を分けて案内した。
都市回遊型XRは案内設計までが体験になる
屋外ARは広い場所を作品化できる一方、来場者が体験地点を見つけられなければ始まらない。「CIRCULATION BALL」は目印、QRコード、配布地図を組み合わせ、デジタル作品へ入る手順を物理空間に置いた。
臨海副都心の複数地点を巡る構成は、AR映像だけでなく歩行経路にも意味を持たせる。都市型XRでは、コンテンツの見栄えと同じくらい、回遊距離、通信環境、端末の扱い、現地案内を一体で設計する必要がある。
本企画は2023年9月24日で終了しており、現在体験できる常設展示の案内ではない。ただし、目印を探す、QRコードを読み取る、景観に重なる作品を見る、次の地点へ歩くという流れは、街を会場にするAR企画の運営を考えるうえで参照できる。