← INDEX

施設公開:

カンザスシティに「Atlas9」開業、4万6000平方フィートで展開する参加型映画世界

架空の1990年代映画館を舞台に、空間探索、ライブ演者、映写ホール、飲食を組み合わせた常設体験が開業した。

REVIEWED
ネオンで照らされたAtlas9の映画館風エントランスとマーキー
Dimensional Innovations(公式発表より(報道引用))

米カンザス州カンザスシティで、物語型イマーシブアート施設「Atlas9」が2025年9月18日に開業した。

発表元は、同地を本拠とする体験デザイン・製作会社Dimensional Innovations(DI)。会場は4万6000平方フィート(約4,270平方メートル)で、1990年代の映画館を題材にした架空の世界を、来場者が自ら歩いてたどる常設施設である。

Atlas9は、閉館した映画館を改装した施設ではない。新しい建物の中に「変容した1990年代の映画館」という設定をつくった。物語では、投影実験の異常によって忘れられた映画の場面が現実へ流出。来場者は秘密機関FACADEの調査に加わり、館内の部屋や通路を探索する。

順路よりも探索を中心にした施設構成

体験は非線形・セルフガイド方式で、決まった順番で場面を消化するものではない。Atlas9の案内では、各室と回廊は映画に着想を得た異なる世界を表し、隠された手掛かりやインタラクティブ展示、館内に現れる演者との接点を通じて物語を深められるとしている。謎解きへの参加は必須ではなく、空間を見て回るだけの来場も想定する。

テーマルームのほか、1940年代風のジャズクラブと隠し酒場、ビデオアーケード、ピザ店を設けた。240席のホールでは投影マッピングを使う。入場券にはイマーシブ展示とライブパフォーマンス、アーケードのフリープレーが含まれる。

制作と運営を支える複数の専門領域

Atlas9はDIとHomefieldの共同事業として開発された。建築設計はPerspective Architecture + Design、建設管理はDI Buildが担当し、Superior Bowenが付帯施設の建設を支援した。DIは舞台美術と映像・操作技術を含む全体設計を主導し、設計と製作に複数年をかけたという。

ライブパフォーマンスには、地元のパフォーマンス集団Quixoticが参加する。エスケープルーム運営会社Swell Sparkもプロジェクトに加わった。DIが空間、Quixoticが演者、Swell Sparkが参加型ゲームの知見を持ち寄る。

開業時の営業時間は、火曜から木曜が14時〜22時、金曜・土曜が12時〜23時、日曜が12時〜20時。チケットは大人40ドル、子ども30ドルだった。入場時刻は指定されるが、入場後は閉館まで滞在できる。

所在地はカンザスシティの1100 N. 98th St.。建物自体を新築し、その内部に映画館が変容したという設定を組み立てている。

季節企画と映画イベントも実施

Atlas9は240席のホールをイベントや上映にも使う。公式サイトでは季節企画、映画イベント、成人向け企画を告知している。常設の物語空間を残しながら、日程ごとに別の催しを加える運用だ。

来場者数と平均滞在時間は非公表

公式発表には、開業後の来場者数と平均滞在時間、ホールの稼働率は記載されていない。入場後は閉館まで滞在できるが、再入場の可否は購入条件で確認する必要がある。飲食とイベントの売上も公表されていない。