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体験・イベント2026年8月22日

SpotifyがサンパウロにBad Bunnyの世界を再現、ストリーミングデータをリアル体験へ

音楽配信プラットフォームが、地域ごとのファン熱量を起点に期間限定の没入型体験を展開しました。

REVIEWED
サンパウロで開催されたBad Bunnyの没入型ファン体験会場
画像提供:Spotify

Spotifyは2026年2月、ブラジル・サンパウロでBad Bunnyのアルバム世界を物理空間に置き換えた没入型体験を実施した。本人のブラジル公演に合わせ、ファン、クリエイター、メディアが参加する場として企画された。

発表された内容

会場はアルバム『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』のテーマを複数の空間で表現し、来場者が作品世界の中を歩ける構成とされた。同様のコンセプトはメキシコとコロンビアでも展開されている。

Spotifyによると、ブラジルはスペイン語圏以外でBad Bunnyの再生規模が3番目に大きい市場だった。デジタル上で確認した地域のファン基盤を、リアルイベントの開催判断へつなげた形だ。

編集部の見方:データが開催都市を選ぶ

従来の音楽プロモーションは公演会場や人口規模を軸に開催地を決めることが多い。配信プラットフォームは、都市別・地域別の再生行動から、熱量の高い市場をより細かく把握できる。

この強みをLBEへ応用すれば、どのIPをどの都市で展開するか、事前登録や広告反応だけに頼らず判断できる。期間限定体験を複数都市へ移植する設計とも相性がよい。

体験を広告ではなくファン行動の循環にする

Spotifyの強みは、体験前後の行動を同じプラットフォームで観測できる点にある。イベント告知を誰に届けるか、参加後にどの楽曲やプレイリストへ戻ったか、別地域で同じ企画を行う需要があるかを、ストリーミング行動と結び付けて考えられる。施設運営者が単独で取得する来場データより、長い顧客接点を持てる。

アルバムの物理空間化は、アーティスト本人が常時出演しなくても成立する。ツアー公演に合わせれば注目を集めやすく、セットを複数都市へ移すことで制作費を分散できる。メキシコ、コロンビア、ブラジルへ展開した事実は、基本コンセプトを保ちながら市場ごとに運用できることを示す。

一方で、無料プロモーションとしての体験と、有料LBEとしての体験では評価軸が異なる。Spotifyの公式発表は来場者数、開催期間、費用、配信への効果を開示していない。LBE事業者が参考にするなら、話題量だけでなく、参加者一人当たりの獲得費用、滞在時間、物販、再生継続率まで設計段階で定義する必要がある。