← INDEX

体験・イベント2024年4月22日

PHI Centreが「Broken Spectre」を公開、14メートル映像と20台のスピーカーでアマゾンを映す

PHI Centreがアマゾンの森林破壊を扱う約75分の映像作品を、14メートル投影と四重音響で公開しました。

REVIEWED
巨大スクリーンと多点音響でアマゾンの環境変化を伝える展示空間を表した編集部制作画像
画像:LBE Magazine編集部制作

カナダ・モントリオールのPHI Centreは2024年4月22日、Richard Mosseによる映像インスタレーション「Broken Spectre」の開催を発表した。会期は5月22日から9月15日まで。ブラジルのアマゾンで進む森林破壊を、異なる撮影技術と大規模な映像・音響設備によって伝える有料展示である。

観測技術ごとに異なる縮尺を見せる

作品は、ヘリコプターに搭載したマルチスペクトルカメラ、35ミリの白黒赤外線フィルム、紫外線で照らした顕微鏡映像を使う。上空から捉えた広域の変化、人が関わる現場、肉眼では見えにくい生態系を行き来し、森林破壊を一つの視点へ単純化しない構成になっている。

PHIの作品ページによると、映像は約74分。会場では高さ14メートルの高精細投影と20台のスピーカーによる四重音響を用い、鑑賞の目安を約90分としていた。オンライン料金は22カナダドル、会場料金は25カナダドルで、12歳以下と5歳以下には別料金を設定した。

作品はNational Gallery of Victoria、VIA Art Fund、Westridge Foundation、Serpentine Galleriesの共同委嘱で、Collection SVPLとJack Shainman Galleryが追加支援した。PHIで新規制作された作品ではなく、国際的に制作・展示されてきた作品をモントリオールの設備と販売条件へ載せた開催である。

編集部の見方:社会課題型展示にも運営設計が要る

環境問題を扱う作品でも、LBEとして継続運営するには上映時間、入退場、年齢別料金、強い音や暴力的場面への注意表示が必要になる。PHIは作品の主張だけでなく、所要時間と価格、刺激に関する案内を事前に示した。

大型スクリーンと多点音響は情報量を増やす一方、来場者が自由に歩く展示とは処理人数の考え方が異なる。約75分の長尺作品を有料で編成した今回の事例は、ドキュメンタリー表現を文化施設の滞在型プログラムへ変える際の会場設計を具体的に示している。