モントリオール植物園、「Résonance」で先住民族庭園の夜間体験を刷新
25周年を迎えた先住民族庭園で、共同設計の夜間体験「Résonance」が始まる。
モントリオールのEspace pour la vieは2026年8月20日、植物園の夜間イベント「Jardins de lumière」の開催概要を発表した。会期は9月3日から11月1日まで。14回目の今回は、日本庭園と先住民族庭園、中国庭園を光と音で巡る。中心となるのが、先住民族庭園の開園25周年に合わせて全面刷新する「Résonance(レゾナンス)」だ。
主催者は5月、共有された鼓動を軸にした5場面の夜間プログラムを予告していた。身ぶりや身体、根、踊る影を演出に取り入れ、ケベックに暮らす11の先住民族の声を伝える。8月の発表で企画名と制作体制が明らかになり、三つの庭園を結ぶ内容と予約方法も公表された。25周年を記念する日中の催しに加え、秋の夜間イベントでも庭園の歩みを伝える。
2001年に生まれた庭園と、刷新の背景
先住民族庭園は、複数の先住民族のメンバーと共同でつくられ、2001年に開園した。面積は2.5ヘクタールで、300種を超える植物を育てる。公式発表では、ケベックの先住民族の知識、文化、土地との関係に敬意を表す場所とされる。クリー、イヌー、ナスカピの人びとを含む北方のアルゴンキン語族の文化圏にも触れながら、植物と暮らし・知識のつながりを伝えてきた。
25周年の公式プログラムでは、夏のガイドツアーや写真展示を実施。アート作品と舞台作品も公開した。その締めくくりに当たるJardins de lumièreでは、従来の庭園を夜間開放するだけでなく、体験そのものをつくり直す。
Espace pour la vieは、BiodômeやBiosphèreなどモントリオール市内の科学施設を運営する。Insectarium、植物園、Planétariumも含めた年間来館者は約250万人としている。Résonanceは秋の夜間イベントを通じて、先住民族庭園の25年を伝える企画だ。
光と声でつなぐ五つの場面
Résonanceは、共通の鼓動で結ばれた五つの相互接続する場面から成る。来場者は園路を進みながら、コミュニティーを形づくる知識、物語、伝統に触れる。発表によると、複数の声が応答し、光のモチーフが動くことで、人、土地、世代が交差する構成を示す。各場面の順路、個別の演出時間、音響仕様は公表されていない。
Anne Lagacé、Soleil Launière、Gonzalo Soldiらが共同で設計した。先住民族アーティストではEruoma AwashishとBéatrice Deer、Marie-Andrée Gillが参加。Jacques Newashish、Joseph Sarenhes、Étienne Thibeaultの名前も発表された。
公式資料は、各人が担当した作品や役割の詳細までは記していない。ただし共同設計者と参加アーティストは実名で確認できる。
三つの庭園を別々の表現で巡る
イベント全体は三つの文化庭園で異なる演出を用意する。日本庭園では幽玄(yūgen)の美意識に着想を得て、松林への大型投影と景観照明を組み合わせる。中国庭園では、夢の湖に映るランタンを軸に、『山海経』に着想を得た伝説上の生き物と象徴的な景観を展開し、従来のランタンに視覚・音響のマルチメディア演出を加える。Résonanceを含め、単一の映像演出を三庭園に適用するのではなく、庭園ごとの景観と主題に応じて体験の表現を変える設計である。
入場は日時指定の予約制で、チケットには同日の植物園入場が含まれる。日中に植物園を訪れた後、夜にJardins de lumièreへ移ることもできる。会場では飲食も提供する予定だ。
Résonance単独の所要時間と各回の定員は公表されていない。制作費や会期後の継続、巡回の有無も、確認した公式発表には記載がない。
予約制で三つの庭園を巡る
来場者は一つのチケットで、三つの庭園に用意された別々の演出を巡る。先住民族庭園では五つの場面、日本庭園では大型投影、中国庭園ではランタンと音響を体験できる。日時指定の予約が必要だが、同じ日に日中の植物園にも入場できる。