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施設公開:

大阪市が「ODP XRラボ」、常設展示をユーザー検証の場に

約10点のXR製品・サービスを体験できる「ODP XRラボ」。展示とユーザー検証を一つの場所で行う大阪市の常設施設だ。

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ODP XRラボの公式施設写真。展示台と複数のXR機器が並ぶ常設展示空間
画像:大阪デザイン振興プラザ公式サイトより(報道引用)

大阪市は2026年8月25日、大阪デザイン振興プラザ(ODP)内に常設施設「ODP XRラボ」を10月1日に開設すると発表した。XR製品を実際に試せる展示スペースである。大阪市とアジア太平洋トレードセンターが連携して設置し、公益財団法人大阪産業局が運営する。

場所は大阪市住之江区のATC ITM棟10階。約80平方メートルの空間に、XRを利用した製品・サービス約10点を展示する。開館は平日の10時から18時までで、利用申し込みは開設後にODP公式サイトで受け付ける。

完成品の紹介に加え、開発中の技術も展示する。来場者の反応を製品改善へ戻す場所として運営する計画だ。来場者には新規事業を考えるきっかけを提供し、開発者にはユーザー検証の機会を設ける。

製造、技能伝承、裸眼3Dを同じ空間で体験する

大阪市が発表した主な展示は三つある。一つ目の「ビジョンAR」は、ヘッドセットを装着せず、プロジェクターでデジタルの指示書やナビゲーションを実際の作業スペースへ重ねる製造分野向けのシステムである。作業者が視線を端末へ移す回数を減らし、現物を見ながら手順を確認する用途を想定する。

二つ目は、XRを使った遠隔ものづくりと技能伝承のシステムだ。熟練技術者の手の動きをスマートグラスで可視化し、学習者がリアルタイムに追体験する。文章や動画だけでは伝えにくい手の位置、向き、作業のタイミングを、実際の対象物に重ねて学べるようにする。

三つ目は、アイトラッキングと視差バリアを利用した裸眼3Dディスプレイである。見る人の目の位置に合わせて映像を調整し、専用眼鏡を使わずに奥行きや立体感を表現する。ヘッドセット型、投影型、ディスプレイ型を一つの施設で比較できるため、「XRはゴーグルを装着するもの」というイメージに限定されない展示構成になる。

展示物は固定せず、定期的に入れ替える。約10点という規模は大型展示会より少ないが、来場者が一つずつ試し、開発者が反応を観察できる。製品ごとに用途や完成度が異なるため、検証項目も個別に決める必要がある。来場者数だけでは、操作の分かりやすさや業務への適合性までは測れない。

ODPの創業・クリエイター支援にXRを加える

ODPは、デザインやXRなどのクリエイティブ分野で独立を予定する人を支援している。創業して間もないクリエイターやデザイナーも対象だ。XRラボの開設により、既存の事業支援に常設の実機展示とユーザー検証が加わる。

発表時点では、通常利用の料金と1回の利用時間は示されていない。開発者向け支援の範囲や、検証参加者の募集方法も未公表である。

開設前日にセミナーと体験会

開設前日の9月30日には、「XRの未来と社会実装に迫る!」と題した開設記念セミナーと体験会を実施する。登壇内容には、高校生起業家が考えるXRの社会実装、熟練技能を可視化する「SHUGI」、近畿経済産業局によるゲームIP創出支援が含まれる。製造現場の技術だけでなく、起業やコンテンツ産業まで扱う構成だ。

会場は同じATC ITM棟10階のODP多目的ルームで、開催時間は15時から17時。参加費は無料、定員は先着50人としている。同日午前には報道関係者向けの内覧会も行い、施設と展示製品を公開する。