三井アウトレットパーク岡崎に大型イマーシブドーム、3作品を期間限定で展開
岡崎の駐車場内に設けた大型ドームで、ラリー映像、花の映像、探索型体験を約3カ月運用した事例です。
ティーアンドエスのTHINK AND SENSE部とIMSFは、三井アウトレットパーク岡崎の開業に合わせて大型ドームを出展した。企画名は「イマーシブドーム in 三井アウトレットパーク 岡崎」。大型テントの内側へ映像を投影する期間限定のドームシアターである。
会期は2025年11月4日から2026年1月18日まで。P1駐車場内で10時から20時まで営業した。料金は大人1,000円、中高生500円で、小学生以下は無料。THINK AND SENSEが後に公開した実施報告からも、約3カ月間の運用を確認できる。
発表時に示されたドームは幅14メートル、高さ8.2メートル。360度に広がる映像と立体音響を組み合わせる構成で、アウトレットでの買い物や食事の途中に立ち寄る、ファミリー層を主な対象に据えた。制作側は商業施設への出展に合わせて新規コンテンツを制作したという。実施後の公式ページでは、上映・体験コンテンツとして「TOYOTA GAZOO Racing ラリーイマーシブ」「When the Light Blossoms」「さがして!イマーシブ くまきち編」の3作品を挙げている。
ラリー素材を曲面投影へ変換する
「TOYOTA GAZOO Racing ラリーイマーシブ」は、ドリフトやジャンプを含むラリー走行を題材にした映像作品である。制作チームは、世界ラリー選手権(WRC)から提供された16:9の映像と写真をドーム用に変換した。
まずRunway Gen-3で映像の上下左右を拡張し、2:1の超広角映像を制作。次にAfter EffectsのVR Converterを使い、1:1のドーム投影形式へ変換した。車両には元の4K素材を使い、砂ぼこりは生成AI、飛散する砂利はUnreal Engineで制作したという。
曲面への投影では、文字や平面グラフィックが歪みやすい。ギャラリー場面では、平面で制作したアニメーションを複数の円柱状に分け、同心円状に配置した。各レイヤーを異なる方向・速度で動かすことで、制作側は文字の見やすさと奥行きの表現を両立させた。発表時には、買い物や食事の合間に立ち寄れるエンターテインメントとして案内されていた。
鑑賞型と探索型を同じドームに載せる
「When the Light Blossoms」は、花や植物で「愛」を表現する映像作品だ。Houdiniで作った3DモデルをTouchDesignerへ取り込み、動きや粒子表現を加えた。花びらや枝の動きはシミュレーションで設計。その結果をVAT(Vertex Animation Texture)として書き出し、画面内へ多数配置した。仕上げにはAfter Effectsを使い、映像の一部にはMidjourneyも用いた。
もう一つの「さがして!イマーシブ くまきち編」は、TOYOTA GAZOO Racingの公式キャラクター「くまきち」をドーム全体から探す参加型コンテンツである。難易度は4段階。レベルが上がると、探す対象と空間内の3Dモデルが増える。
制作にはUnityを使い、3Dモデルの数や大きさ、向きを会場で調整できるようにした。11月から12月中旬は通常版、12月中旬から下旬はクリスマス版、年末年始は正月版を上映。季節に合わせて3DモデルとBGMを変更し、正月版では約70点のモデルを新たに制作した。
約3カ月の会期中に季節版へ更新
ドームはP1駐車場内に設置された。会期中には鑑賞型の二作品と、来場者がキャラクターを探す参加型の一作品を上映している。「くまきち編」は通常版からクリスマス版、正月版へと内容を更新した。
公式の実施報告では、来場者数やチケット販売数、買い物客の利用率は公表されていない。確認できるのは、仮設ドームを約3カ月運用し、同じ設備で三作品を展開したことまでである。