Skydeck Chicagoが改装、103階の展望台前に街を学ぶ参加型ミュージアム
Willis Towerの展望施設が、シカゴの歴史・建築・文化を扱う体験展示とガラス床の眺望を一続きにした。
Willis Towerの展望施設Skydeck Chicagoは2021年4月23日、大規模改装を終えて営業を再開した。103階の眺望へ上がる前に、シカゴの歴史、食、音楽、スポーツ、建築を体験型展示で紹介するミュージアムを低層階へ新設した。
施設を運営するEQ Officeが改装を主導し、Skidmore, Owings & Merrill、Thinc Design、Clark Construction Group、Chicago Scenic Studiosが設計・施工に参加した。展望台そのものだけを更新する計画ではなく、入口からエレベーター、103階までを一つの体験として組み直した。
街を知ってから展望台へ上がる
順路は「Origins」から始まり、シカゴ大火や街の形成を紹介する。来場者は光るChicago Riverのトンネルを通り、建築エリアでは市内を飛行するような映像を見た後、Willis Towerへ到達する。実物大の高架鉄道「L」の車両では、窓に流れる映像を通して各地区を巡る。
食文化の区画には巨大なディープディッシュ・ピザの台と、長さ9フィートのシカゴ式ホットドッグ型ベンチを置いた。Second Cityの舞台でジョークを披露する場所、Michael JordanやWrigley Fieldの看板と撮影できる場所もある。都市の歴史を年表だけで説明せず、乗る、座る、演じるといった短い行動へ分けた。
最後は高速エレベーターで103階へ移動し、建物の外側へ張り出す四つのガラス床「The Ledge」に立つ。晴天時には最大50マイル先、四つの州まで見渡せると施設は案内している。低層階で扱った街路や建築を、地上約412メートルから実際に見下ろす流れである。
103階にも対話型モニターを追加し、街の成長、交通、文化施設、The Ledgeの歴史を紹介した。東側の眺望を画面で確認できるため、雲や雨で視界が限られる日にも情報を補える。来場者がメッセージや絵を残すスパンコール壁、The Ledgeで撮った写真を表示する仕組みも設けた。
展望だけに依存しない施設へ
天候が悪ければ、展望台から見える範囲は限られる。屋内展示を加えることで、眺望条件に左右されにくい滞在内容を作った。街の物語と高所の身体感覚を一枚の入場券で結んでいる。タワー下部には5層の飲食・物販エリア「Catalog」も整備され、展望台の前後に滞在できる場所を増やした。
再開時は時間指定券と入場上限を設け、シカゴ市の感染対策に沿って運営した。公式発表には改装費、展示室の面積、平均滞在時間は記載されていない。眺望を目的とする展望台に、見えている都市を理解する前段を加えた更新だった。
来場者は低層階で具体的な街の名前や文化に触れ、最後にその街を上空から見る。展示と眺望の順番が、都市紹介を抽象的な説明で終わらせない。高所からの景色という既存の価値を変えず、その景色を読み取るための手がかりを増やした改装といえる。