Sphereの『オズの魔法使』、翼のある猿や香りなど4D演出を拡充
ラスベガスのSphereが『オズの魔法使』体験を更新。アニマトロニクス、香り、花火などの新たな4D演出を導入します。
Sphere Entertainmentは2026年8月31日、ラスベガスの「The Wizard of Oz at Sphere」に新規・拡張した4D演出を加えると発表した。導入日は9月25日。翼のある猿のアニマトロニクス、場面に合わせた香り、きらめきを使う「Glinda Glitter」、屋内花火、香り付きのリンゴを組み込む。
体験は1939年の映画『オズの魔法使』をSphere向けに再構成したもので、2025年8月に開幕した。Sphere StudiosがWarner Bros. Discovery、Google、Magnopusと共同で展開している。今回の更新後も複数回の上映を毎日続け、2027年初頭までのチケットを販売する。
画面内の出来事を客席へ広げる
Sphereの公式案内によると、翼のある猿は観客の上空を飛び、リンゴが落ちる場面では甘い香りを漂わせる。景色が変わる場面にも異なる香りを加えるほか、Glindaの登場では客席をきらめきで包む。Emerald Cityの場面には屋内花火を使う。
既存版も映像と音響だけで構成されていたわけではない。高速の送風装置、霧、火炎、低周波音を使う振動シートを物語に同期させている。新しい演出は、画面内に描かれた飛行や落下、発光、風景の変化を、客席側の物理的な現象へさらに広げるものだ。
翼のある猿はスクリーン上の映像にとどまらず、機械仕掛けの造形として観客席上空へ現れる。リンゴの香りとGlindaのきらめきも、それぞれ映画内の場面に合わせて起動する。個々の効果を常時動かさず、物語上の出来事と客席側の刺激を対応させる構成だ。
会場の曲面ディスプレイは16万平方フィート(約1万4,864平方メートル)で、観客の前方から頭上までを覆う。音響には16万7,000基のプログラム可能なスピーカードライバーを使い、客席内の場所を指定して音を届けられる。専用設備は、音と振動に加えて、風や香り、物体の動きも映像と同期できる。今回の追加は、その設備を使ったものだ。
既存コンテンツを開幕後も更新
Sphereの社長兼最高執行責任者(COO)を務めるJennifer Koester氏は、今回の強化によって作品の印象的な場面へ観客をさらに引き込むと説明した。発表では上映時間や料金の変更には触れていない。
新演出は2026年9月25日からの上映に加わる。導入前の回と内容が異なるため、過去の鑑賞記録だけでは現在の客席演出を把握できない。花火や火炎、強い音、振動、香りを使う体験が苦手な人は、購入前に公式の注意事項を確認する必要がある。
今回の更新では、常設に近い上映コンテンツへ、開幕後に物理演出を追加した。アニマトロニクスや香り、花火は、映像データの差し替えだけでは完結しない。客席設備との同期、安全管理、消耗品の補充を日々の運用へ加える必要がある。既存作品を更新し、同じIP体験へ再来場する理由を増やす施策である。