所沢の雑木林にteamLab常設展示、人に反応する光の卵を配置
東所沢公園の樹林を残したまま、触れると色と音が周囲へ伝わる屋外デジタルアートが開業しました。
チームラボは2020年7月15日、埼玉県所沢市の武蔵野樹林パークで常設展示「チームラボ どんぐりの森の呼応する生命」を開くと発表した。開業日は8月1日。東所沢公園に残る雑木林へ、光と音が互いに反応する卵形の作品と、照明された木々を配置した。
押すと起き上がる卵形の作品
作品「自立しつつも呼応する生命」は、地面に立つ卵形の物体で構成される。人が押したり風が吹いたりすると倒れかけ、音を鳴らして自ら起き上がる。その音に周囲の卵形体が反応し、同じ音色が森の中へ順番に伝わる。
日中は周囲の自然光の中に置かれ、日没後には卵形体そのものが光る。触れられると、音色に対応した色へ変化し、近くの作品も同じ色と音で応える。風が静かで誰も触れていないときは、ゆっくりと明滅する。
光の色は、チームラボが「液化された光の色」と呼ぶ発色で変化する。内部から発する光によって、同じ物体が連続的に違う色へ移るように見せた。
二つの作品の音は、いずれも高橋英明が担当した。卵形体で生じた音色を木々へ伝えることで、別々の作品を一続きの反応として構成している。
卵形体から木々へ反応が広がる
もう一つの作品「呼応する木々」では、雑木林の木そのものを照らす。木々は普段、呼吸するようなゆっくりした明滅を続ける。卵形体から光と音が伝わると、近くの木が同じ色へ変わり、さらに隣の木へ反応を送る。
森の奥から光の変化が近づいてくれば、その先で誰かが作品に触れたことが分かる。来場者同士が直接見えない距離にいても、光と音の連鎖を通して、同じ場所にいる人の存在を感じられる仕組みである。
コナラの森を展示空間に使う
武蔵野樹林には、コナラなどの落葉広葉樹が生える。春から夏は緑が濃くなり、秋から初冬には紅葉し、どんぐりが実る。作品の背景となる葉の量や色、地面の状態は季節によって変わる。
チームラボは、自然を大きく造り替えずにデジタル技術で作品化する活動を「Digitized Nature」と呼んでいる。この展示では、既存の木々と起伏をそのまま鑑賞経路にした。昼と夜で作品の見え方が変わるため、料金も時間帯別に設定された。
昼500円、夜1000円から
開業時の営業時間は正午から午後10時、最終入園は午後9時30分。夜間営業の前には、機器保守のため1時間閉園した。毎週火曜日は休園し、祝日の場合は開園。季節によって閉園時刻を変更すると案内された。
昼の大人料金は月曜から木曜が500円、金曜・土曜・日曜・祝日が600円。夜は平日1000円、週末と祝日は1200円だった。中高生と小学生には別料金があり、未就学児は無料。所沢市民には窓口で住所を確認したうえで200円の割引も用意された。
会場はJR武蔵野線の東所沢駅から徒歩9分。角川文化振興財団が主催し、同じ地域で開業する角川武蔵野ミュージアムとも近い。既存の公園を夜間の鑑賞場所として使い、来場者の動きが光と音として森全体へ伝わる常設作品として始まった。