北京に1万平方メートルの「teamLab Massless」、身体で遊ぶ常設作品も展開
チームラボ最大規模の常設ミュージアムが北京の商業施設に開業。高さ約11メートルの空間へ作品を展開しました。
チームラボは2022年10月11日、常設ミュージアム「teamLab Massless Beijing」を北京の朝陽ジョイシティに開業すると発表した。開業日は11月19日で、会場は商業施設の最上階となる10階。床面積は1万平方メートル、天井高は約11メートルあり、チームラボ最大規模のミュージアムとして案内された。
光の球体や雲が輪郭を変える空間
施設名の「Massless」には、作品を物質の輪郭から解放し、連続的で曖昧な存在として捉え直す考えが込められた。会場には、光と闇の球体、空間を漂う巨大な雲、無限に続くように見える光の点などを使った作品を展開する。
代表作の一つが「質量のない太陽と闇の球体」だ。明るい球体と暗い球体が空間を埋めるが、物理的な表面を持たず、手では捉えられない。「質量のない雲、彫刻と生命の間」では、雲のような像が空中を移動し続ける。どちらも物体を並べて鑑賞する展示とは異なり、光によって存在を感じさせる。
「The Infinite Crystal Universe」は無数の光の点で空間を構成する。「Floating in the Falling Universe of Flowers」では、一年を通じて咲く花々が時間とともに変化する。「呼応する小宇宙―固形化された光の色」も含め、複数の大規模作品が館内に用意された。
茶を持ち上げると周囲の光が応える
新作空間「EN TEA HOUSE―太虚境」では、「質量のない太陽と闇の球体」の中で茶を飲む。茶を点てると器の中に光が現れ、器を持ち上げると輝きが強くなる。周囲に浮かぶ球体も次々と反応し、飲むという日常動作を作品の変化につなげた。
「Trails of Life―Transcending Space in All Directions」では、来場者が立った場所に筆跡が残る。壁、床、天井の境目を目立たなくした空間で、その筆跡が作品世界の一部を作っていく。あらかじめ完成した映像を見るだけでなく、人が入った結果を画面へ残す作品だ。
跳ぶ、踏む動きを作品に取り込む
館内には、身体で空間を理解する「運動の森」と、複数人で世界を作る「学ぶ!未来の遊園地」も含まれた。「あおむしハウスの高速回転跳ね球」では、来場者が球体を踏み、跳ぶと、球体の中からあおむしが生まれる。
「マルチジャンピング宇宙」は、作品の上で跳ねる動きを星の誕生や成長に結びつけた。足元のエンタメデバイスが来場者の動きを読み取り、映像を進める。静かに立って鑑賞する作品と、全身を動かす作品を一つの施設内に並べている。
朝陽ジョイシティ最上階の常設ミュージアム
会場は北京市朝陽区の朝陽ジョイシティ10階に置かれた。2022年10月11日にチケット販売を開始し、11月19日から常設と案内している。営業時間、料金、入場者数は今回の発表に記載されていない。
商業施設の最上階に1万平方メートルの展示を設けたことは確認できるが、買い物客の回遊や飲食店の売上に与えた効果までは公表されていない。開業のニュースだけでは、商業施設全体の集客効果を断定できない。
来場者の動きが展示を変える
「teamLab Massless Beijing」は、高さ約11メートルの空間を使う光の作品と、跳ぶ・踏む動きを受け取る作品を同じ館内に置いた。展示規模が大きいだけでなく、茶を飲む、歩く、立つといった行為まで作品の入力にしている。
常設施設として注目したいのは、来場者や時刻によって見え方が変わる設計だ。ただし、その変化が再訪につながったかは、開業後のデータがなければ分からない。来場者数や滞在時間を確認して初めて、作品構成と施設運営の関係を評価できる。