teamLab SuperNature Macaoが開業、5,000平方メートルに高低差のある作品群
高さ8メートルの会場に大型作品を展開。歩行や他の来場者の存在によって映像が変わる常設の没入型美術館となった。
「teamLab SuperNature Macao」は2020年6月15日、ベネチアン・マカオのCotai Expoで営業を始めた。5,000平方メートル、高さ8メートルの会場に、来場者の動きや他者の存在で変化する大型作品を展開する常設施設である。
起伏のある空間を身体で進む
館内には壁面と床面を覆う映像だけでなく、高低差を持つ立体的な空間が造られた。来場者は坂を上り、作品の中を歩き、身体の位置によって見え方の変化を体験する。映像を正面から鑑賞する上映形式とは異なる。
施設は「超自然的な世界」「Light Sculpture - Flow」「運動の森」「学ぶ!未来の遊園地」「EN TEA HOUSE」などの領域で構成された。静かに映像を見る部屋から、跳ぶ、登る、描くといった行動を伴う場所まで、身体の使い方が変わる順路を一施設に収めている。
作品同士は独立した映像として固定されず、動物や花などの要素が部屋の境界を越えて移動する。「花と人の谷」では、人が止まると近くの花が咲き、触れたり歩き回ったりすると散る。映像は事前に記録した一本の動画を繰り返さず、来場者の動きに応じてコンピューターがリアルタイムに描く。
「The Infinite Crystal Universe」では、来場者がスマートフォンから星を選び、光の点でできた空間へ加えられる。「Floating Flower Garden」では、生きたランが人の位置に合わせて上昇し、歩く場所をつくる。同じ空間にいる他者の行動も作品を変えるため、混雑は鑑賞を妨げる要素だけではなく、毎回異なる状態を生む条件にもなる。
運動と共同制作を別の入口にする
「運動の森」には、複数人で跳べる床や起伏のある地面を使う作品が置かれた。「Multi Jumping Universe」では、参加者が跳ぶ位置に星が生まれ、動きが続くと成長する。「Graffiti Nature」では、紙に描いた生き物がデジタル空間に現れ、ほかの生き物との関係を持つ。
見ることを中心とする展示に、運動と制作を加えたことで、子どもと大人が異なる方法で同じ施設へ参加できる。作品名や説明を読まなくても、床の形や周囲の動きから次の行動を推測できる設計である。
統合型リゾートに常設する
施設はホテル、カジノ、商業、会議場を備えるベネチアン・マカオ内に設けられた。リゾート滞在中に選べる非博彩の体験として組み込まれている。Cotai Expoの天井高と床面積を使い、都市部の一般的な展示室には収めにくい大型作品を常設した。
開業直後には地元住民向けのツアーも受け入れた。国際観光が制限された時期に、常設施設を地域内の利用から立ち上げた点も2020年の運営条件を映している。
作品は人の動きに反応する一方、会場の基本設備は毎日安定して動かなければならない。投影位置、センサー、音、床の状態を開場前に確認し、多数の来場者が起伏を歩く環境を維持する。デジタル作品の更新可能性と、大型常設施設に必要な保守を同時に抱えるLBEである。