「三体・四維空間」世界初拠点が北京に開業、600平方メートルで大空間VRを展開
北京・朝陽公園に開業した「三体・四維空間」の初号店。約600平方メートルでVR体験と公式グッズを一体運営する。
北京・朝陽公園に、「三体・四維空間(三体・四维空间)」科幻体験センターの世界初拠点が開業した。朝陽区の発表は2025年6月27日付で、同センターを三体宇宙が開発、制作、運営まで一貫して担う施設としている。三体宇宙は『三体』三部作の開発・商業化に関するグローバルな独占権を掲げるIP事業者で、今回の出店は同社が自ら運営する常設型の体験接点となる。
会場は朝陽公園内の「微博IN跨次元引力場」3階で、総面積は約600平方メートル。構成は、劇場(院線)方式の大空間VR体験エリアと、三体宇宙の公式派生商品の旗艦店という二本柱だ。実景の撮影スポットや物販を含む「鏡内+鏡外」の二層構成を採った。ヘッドセット内の物語体験と、装着前後に利用できるリアル空間を一つの施設に組み合わせた設計である。
このうち「鏡内」はVR空間、「鏡外」は実会場側の体験を指す。発表は鏡外エリアについて、三体を題材にした実景の撮影スポットとテーマ商品の専門区画を設けたとしている。公式発表では、こうした周辺体験を通じてSF要素を日常へ広げる狙いも示された。
初回コンテンツは『三体ゲーム:文明の断片』
ローンチ作品は『三体ゲーム:文明の断片(文明碎片)』だ。劉慈欣の『三体』三部作を基にした大空間VR作品で、参加者は一人称視点で三体星を探索し、異なる時代・文明の立場を体験するという。発表で例示された場面には、三つの太陽が同時に現れる暑熱、乱紀元の凍てつく寒さ、石柱に触れた際に自分の手が「脱水」する視覚表現がある。原作にある極端な環境と文明の反復を、歩行を伴う体験に移し替える内容だ。
映像はリアルタイムで描画し、参加者の動きを全身モーションキャプチャーで取得する。VR映像は無線で端末へ送るとされた。参加者は現実の会場を歩きながら、仮想環境の出来事へ反応する。
使用する端末の機種は公表されていない。同時参加人数と体験時間、料金も、6月27日の発表本文では確認できない。
物語の制作では、施設担当者が脚本を200回以上改稿したと説明した。最終章には、原作の登場人物にならって「三体人を歓迎するか」を選ぶ場面を置くという。この選択と、来場者が手や周囲の物体を認識する演出によって、物語内の参加者として判断を求める構造をつくる。鏡外エリアには三体の実景フォトスポットとテーマ商品の区画を設け、VR終了後にも作品世界と接点を持たせる。
朝陽公園を起点に示した多都市展開
出店地を朝陽公園に選んだ理由について、施設側は、若者文化が集まる周辺環境と『三体』IPの組み合わせを挙げた。VR体験だけでなく、来場者同士が交流し、関連商品を購入できる拠点を目指すと説明している。
今後は「三体・四維空間」シリーズを継続開発し、上海や深圳などの都市へ広げる計画だ。ただし、発表時点では、各都市の開業時期や会場規模は明らかにされていない。
600平方メートルにVRと物販を併設
北京の初号店は約600平方メートルで、大空間VRの体験エリアと公式グッズの旗艦店を併設する。「鏡外」と呼ぶ実会場側には、写真撮影に使える造作とテーマ商品の区画がある。
体験ごとの料金と所要時間、同時参加人数は、6月27日付の発表では示されていない。開業後の利用者数や商品の販売実績も、今回参照した資料では確認できない。