USJが常設VR施設XR WALKを発表、歩行と環境演出を組み合わせる
広い体験区画を歩くフリーロームVR向けの常設設備を新設し、作品を入れ替えながら運営する計画を示した。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは2020年1月8日、常設のフリーロームVR施設「XR WALK」を新設すると発表した。広い区画を自分の足で歩き、映像、音、風や振動などの環境演出を組み合わせるための共通設備である。体験エリアは430平方メートルで、USJは当時、世界の入場者数上位70のテーマパーク・遊園地にある常設フリーウォーク型VR施設の中で最大面積と説明していた。
作品を入れ替えられる共通設備
XR WALKは、特定IPのアトラクション名ではない。ヘッドセットと身体の位置を追跡し、複数人が同じ仮想空間を移動できる施設を先に整え、その設備へ異なる作品を導入していく考え方だ。
利用者はヘッドセットと装着機器を身につけ、現実の区画を歩く。映像内の壁や物体と実際の移動範囲を対応させるため、家庭用VRより大きな場所と、参加者同士の位置を管理する仕組みが必要になる。ケーブルに行動範囲を制限されず、振り向く、しゃがむ、武器を構えるといった動きをゲーム内へ反映する設計だった。
テーマパークの演出をVRへ持ち込む
USJは、スタッフによる案内、作品の登場人物を演じるエンターテイナー、場面に応じた環境効果をVRへ組み合わせる方針を示した。視覚と音だけに頼らず、モンスターの咆哮に伴う風圧や武器の衝撃を身体へ伝える。テーマパークが持つショー運営と特殊効果を、位置追跡型VRへ接続する構想だった。
一回の説明、機器の着脱、清掃まで含めた運営がアトラクションの回転率を決める。最大4人の協力プレイでは、参加者同士の位置を仮想空間へ正しく反映し、ボイスメッセージで会話できるようにする必要もある。
最初の作品は「モンスターハンター」
最初の作品には「モンスターハンターワールド:アイスボーン」が予定された。雪山を歩いてアイテムを採取し、最大4人で等身大のモンスターと戦う内容で、大剣、太刀、ハンマー、スラッシュアックス、ヘビィボウガンの5武器種を用意した。会場はパーク内のステージ18、料金は大人・子ども共通2,500円と発表されていた。
当初の開催期間は2020年3月20日から8月30日までだったが、感染症の影響で実施は延期された。実際の初公開は2022年1月となる。この記事では2020年当時の発表内容を記録し、2022年の完成後に明らかになった運営実績とは区別している。
2022年に実際の施設がオープン
USJは2021年10月29日、XR WALKの最初の作品「モンスターハンターワールド:アイスボーン XR WALK」を2022年1月21日に始めると改めて発表した。2020年の構想発表から約2年を経て、歩行、武器操作、風などの特殊効果を組み合わせる常設設備が実際に使われることになった。
2020年の記事を読む際は、当初予定されていた開催日と、延期後の開始日を分けて考える必要がある。施設そのものは常設として整備された一方、そこで提供する作品には開催期間が設定されていた。
XR WALKは、作品ごとに大規模な建物を造り直す方式を取らない。位置追跡、装着機器、スタッフ導線を共通基盤として残し、扱うIPを更新できる。高価な設備を一作品の開催期間だけで終わらせず、複数企画へ使うための施設設計だった。
この方式では、次の作品を導入するときも、機器の保管場所や装着室、プレイ区画を引き継げる。その一方で、映像内の地形、現実の壁、特殊効果の位置を作品ごとに合わせ直す作業は残る。XR WALKの発表は、新しいVR作品と同時に、その作品を継続的に受け入れる運営基盤を示したものだった。