ARシアター「Verse Orlando」、フロリダのBoxi Parkに開業
EnkluがLake NonaのBoxi Parkに、透過型ディスプレイを使うAR体験施設「Verse Orlando」を開業した。
Verse Orlandoは2023年5月5日、フロリダ州オーランドのLake NonaにAR体験施設を開業すると発表した。場所は飲食店やライブ音楽が集まるBoxi Parkで、開業日は5月26日。運営側は「Holographic Theater」と呼び、現実の会場にデジタルの風景や登場人物を重ねる複数の体験を用意した。
仲間の姿を見ながらAR空間を歩く
Verse Orlandoが使うのは、技術開発会社EnkluのARディスプレイだ。VRのように視界全体を映像で覆わず、同じ部屋にいる家族や友人を見ながら、空間に現れるデジタルの動物や人物に近づける。運営側は、グループで一緒に別世界を歩き、登場人物と関われる点を特徴に挙げた。
施設は可動式のテント構造を採用し、AR体験とライブパフォーマンスを組み合わせると説明された。常設のスクリーンへ映像を投影する展示とは異なり、装着型ディスプレイを通して、会場全体をゲームのような空間に見せる仕組みだ。
幻想世界、宇宙、魔法を扱う開業時の作品
開業時には4本のMR体験を提供すると発表した。そのうち内容が紹介された作品は「The Unreal Garden」「Holographic Odyssey」「Sightcraft」の3本だった。
「The Unreal Garden」は、複数の場面で構成された幻想世界を探索する作品だ。来場者は動物と触れ合い、パズルや課題を解きながら先へ進む。登場する動物には固有の反応が設定され、Android JonesやScott Musgroveのアートも使われた。同作はオーランド進出前に、サンフランシスコ、デンバー、シカゴで展開されている。
「Holographic Odyssey」の題材は太陽系。参加者は惑星などの天体を間近で見ながら、科学的な解説に触れる。「Sightcraft」では魔法使いとなり、呪文で標的を狙う。得点、ランキング、能力の解放を取り入れ、展示鑑賞よりもゲームに近い遊び方を用意した。
Boxi Parkで食事やライブと組み合わせる
Boxi Parkには飲食店やライブ音楽のプログラムがあり、屋外で過ごせる場所もある。Verse Orlandoは食事やイベントと同じ外出先で選べるXR体験として開業した。発表ではカップル、家族、グループを主な利用者として想定している。
運営側は、米国内でVerse関連体験の累計プレイ時間が100万時間に達したとも説明した。ただし、集計期間、利用者数、オーランド拠点の想定収容人数や料金は発表文に記載していない。数字を来場者数や施設の収益と同じ意味では扱えない。
Boxi Parkへの出店で広げた来場動機
装着型のARをLBEに使う利点の一つは、参加者同士の姿や現実の床を見ながら遊べることだ。グループで会話しやすく、作品側も同じ空間にいる複数人を前提に設計できる。一方、機材の装着感や視野の広さ、明るい会場での見え方は体験の質に影響するが、今回の発表だけでは判断できない。
Boxi Parkへの出店で注目したいのは、XR施設を飲食やライブと並ぶ選択肢に置いたことだ。来場者が食事の前後に立ち寄れる場所なら、ARに詳しくない人にも接点を作りやすい。施設単体の集客実績は公表されていないため、立地の効果を評価するには開業後の利用状況が必要になる。