東京タワー公認の仮想施設、展望台から「100年後の東京」を望む
現実の東京タワーを基に、アバターで展望台へ上り、100年後をイメージした東京の景色を楽しむ仮想空間が発表されました。
バーチャル東京タワー製作委員会は2020年9月4日、東京タワー公認の仮想空間「バーチャル東京タワー」を同年11月1日に公開すると発表した。ウィスコム、TOKYO TOWER、これポチを中心とする委員会が制作し、ソーシャルVRサービス「cluster」上で運営する計画だった。
参加者はアバターを使って施設内を移動する。対応端末はVR機器、スマートフォン、パソコン。現地の東京タワーへ行く必要はなく、各端末にclusterアプリを入れて参加する方式だった。
展望台から「100年後の東京」を眺める
施設のテーマは「100年後の東京タワー」。アバターで高さ150メートルのメインデッキと、250メートルのトップデッキへ上り、360度の夜景を見渡せる。展望台から見えるのは、未来の東京を想像した景色だ。現在の街並みを忠実に再現する計画ではなかった。
発表資料の企画画像には、空中水族館を思わせる景観や異空間のようなトップデッキが示された。ただし、画像は発表時点の構想で、内容が変わる可能性があるとの注記が付いていた。現在の東京タワーにあるスカイウォークウィンドウを仮想版にも設けるとの記載はない。
アバター同士で会話し、買った商品は自宅へ配送
同時に入場した参加者は、アバターを通じて会話できる。友人とのデートや、会場内のイベントへ参加する用途も想定された。発表資料には、同時入場人数、公開範囲、会話に使う音声や文字入力の詳しい仕様は記載されていない。
施設内にはショップとグルメタウンを設け、注文した商品を現実の自宅へ配送する計画だった。3D商品だけに限らず、実物の通販機能を組み込む構想だ。取扱商品、送料、配送地域、決済方法はこの時点で明らかにされていない。
東京タワーの麓には、野外フェスティバル会場を設ける計画も示された。音楽ライブ、ファッションショー、食を題材にした催しの開催を想定。発表時点では個別イベントの名称、出演者、日程、入場料は未定だった。
clusterの無料アカウントが必要
参加には、使用する端末向けのclusterアプリと無料アカウントが必要だった。スマートフォンではアプリ起動時に登録し、パソコンとVRではclusterのWebサイトから作成する。登録にはTwitter、Google、Facebook、Appleのアカウントを利用できた。
VR機器を使う場合は、clusterアプリに加えてSteamVRも必要。イベントページを開き、「会場に入る」ボタンを選ぶと参加できる。イベントページの詳しい情報は10月下旬に公開する予定で、操作に慣れるための公式チュートリアルワールドも案内された。
利用料金については、clusterのアカウントが無料であることだけが明記されている。バーチャル東京タワーへの基本入場、トップデッキ、個別イベントに料金が発生するかは、9月4日の発表から確認できない。
現実の建物を未来の催事会場へ作り替える
東京タワーは1958年12月23日に開業し、発表時点で60年以上にわたり港区芝公園で営業していた。仮想版は外観と二つの展望台を手掛かりにしつつ、そこから見える街を100年後へ置き換えた。現実の施設をそのまま3D模型として保存するデジタルツインという説明はされていない。
展望台から夜景を見る基本体験に、他者との交流、商品の注文、野外フェス会場を加えている。
建物は同じ場所に残し、イベント内容を更新していく構想だった。一方、公開後の来場者数、再訪率、通販の注文数、イベントの開催頻度は、この発表資料には含まれていない。