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体験・イベント公開:

大阪で「The XR RIDE」が運行、街の景色にARを重ねる9人乗りXRバス

大阪の街を走りながら、車窓にAR映像を重ねる9人乗りのXRバスツアー。遠隔操作のAIキャラクターと同乗ガイドが、大阪弁を題材にショーを進めた。

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The XR RIDEの車内を描いた公式キービジュアル。座席の正面と左右に映像が広がり、中央にAIガイドのTEMPURAが表示されている
画像:OUGI 公式発表より(報道引用)

大阪で2025年7月16日、XRバスツアー「The XR RIDE」シリーズの第一弾「The Magic Words ‘OSAKA-BEN’ Bus Tour」が運行を始めた。企画・実施は旅行事業者のOUGI、コンテンツのクリエイティブディレクションと制作はKAKUSINが担当。OSAKA Satellite EXPO 2025のコンテンツとして、10月29日まで実施された。大阪の街を走るバスの車内で、方言を題材にしたショーを楽しむ企画だった。

OUGIは、この運行を実証実験にも位置づけていた。背景として同社は、訪日客の増加に対し、地域の観光コンテンツ開発やローカルガイドの人材不足が課題になるという認識を示している。そこで、首都圏にいる多言語対応者がAIキャラクターを遠隔操作して案内し、現地には人間ガイドが同乗する方式を採った。遠隔と現地を組み合わせることで、地域のガイドだけに多言語対応を集中させない運用が成り立つか、観光コンテンツとガイド支援の両面から検証する狙いだった。

走る車内を、実景とARが交差する舞台へ

使用車両はトヨタ自動車、車載システムはトヨタ紡織が提供した。乗車定員は1便9人。正面と天井に大型ディスプレイを置き、左右の窓には透明ディスプレイと調光パネルを備える。車窓から見える大阪の景色にAR映像を重ねられる点が、この車両の特徴だ。公式サイトのキービジュアルでは、AIガイドや大阪を思わせるモチーフが座席の前方に現れる車内の様子が紹介されている。

運行ルートは、うめきたグリーンプレイスのバス駐車場を出発し、中之島と大阪城の周辺を巡って同じ場所へ戻る設定だった。2025年6月の発表資料では所要時間を約40分としていたが、運行開始後の公式サイトでは約60分と案内している。各日4便で、道路状況によって到着時刻が前後する場合もあった。映像の尺だけで完結する施設型アトラクションとは違い、公道を走るため、乗降や交通事情まで含めた運行管理が必要になる。

五つの大阪弁を、ライブの掛け合いで学ぶ

ショーは英語と中国語で構成され、大阪弁の「五つの魔法の言葉」を参加者が使ってみる内容とされた。進行役は、遠隔操作されるAIキャラクター「TEMPURA」と、実際に乗車する人間ガイド「AMI」。公式発表は、乗客を巻き込んだその場限りの会話を重視するとしており、あらかじめ録画した観光案内を再生するだけの形式ではない。

OUGIによると、多言語に対応するスタッフが首都圏からTEMPURAを遠隔操作し、現地のガイドと掛け合いながら案内する。KAKUSINも、乗客を巻き込む、その便限りの会話を重視した。映像を決められた順番で再生するだけのツアーとは異なり、乗客の反応を進行に取り込むライブショーとして設計されている。ただし、遠隔操作を担当する人数や場所、各便の乗車率、収益性は公表されていない。

OUGIは大阪編に続き、各地域の「日本の物語」を題材にした展開を計画していた。一方、公式特設サイトは2025年10月29日付で同ツアーの開催終了を告知している。次の地域・作品、再開時期、車両の継続運用は同時点で発表されていない。

9人乗り車両で組む運行計画

9人定員の車両なら、ガイドが乗客全員の反応を拾いやすく、車窓の景色に合わせた演出も細かく調整できる。一方で、1日に受け入れられる人数は便数と稼働率に左右される。各便を定刻に出し、安全確認から乗降、2人のガイドの連携までを安定させられるかが運営上の要点になる。多言語の遠隔案内が、現地スタッフの負担をどこまで減らせるかも見逃せない。別の地域へ展開する際は、その土地の道路事情や運行ルートに合わせて、演出とガイド体制を組み直す必要がある。