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ARTECHOUSE New YorkでSUBMERGE、Classic Blueを光と音の空間へ

Pantoneの2020年カラーを題材に、床と壁を包む映像、音、AR対応のバーまでを一つの展示として展開した。

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青い映像に包まれたSUBMERGEの展示空間
画像:ARTECHOUSE公式発表より(報道引用)

ARTECHOUSEは2020年2月5日、ニューヨーク拠点で「SUBMERGE」を開幕した。Pantoneが発表した2020年の色「PANTONE 19-4052 Classic Blue」を題材に、映像、音、来場者の動きを組み合わせた期間限定展示である。

会場はChelsea Marketの旧ボイラー室を転用したARTECHOUSE NYC。ワシントンD.C.、マイアミにも拠点を持つ同社が、2020年のニューヨーク企画の第1弾として、New York Fashion Weekの時期に合わせて公開した。

色見本を歩ける環境へ変える

展示では、青い粒子や波のような映像が壁と床に広がり、来場者の動きに反応する。印刷物や画面上で確認する色を、身体の周囲を覆う光として見せることで、色の印象を空間の大きさと時間の変化から体験できるようにした。PantoneがClassic Blueに込めた安定感、落ち着き、夕暮れの空という説明を、視覚と音の変化へ置き換えた。

ARTECHOUSEのアートディレクターSandro Kereselidzeが率いる制作チームは、Intus Interactive DesignとともにPantoneの年間カラー発表イベント向けに演出を開発した。2019年12月の発表会で使った内容を、一般客が自由に歩ける展示へ拡張した。

企業が定めた一色を、光の強さ、動き、音、来場者の位置によって印象が変わる環境へ展開した。色見本の正確な再現と、投影面や人の影によって生じる揺らぎを同時に扱う企画だった。

展示室の外にもテーマを続ける

館内のバーでは、拡張現実に対応したSUBMERGE着想の飲み物を提供した。スマートフォン越しの演出を加え、飲食を休憩区画として切り離さず、Classic Blueという共通テーマを別の接点に移している。入場料にはバーへのアクセスも含まれた。

SUBMERGEの会期は2月5日から23日まで。営業時間は日曜から木曜が10時から22時、金曜と土曜が23時までで、チケットは17~24ドルだった。一色を題材にしながら、映像の変化、身体の動き、音、飲食へ展開し、短い会期でも複数の参加方法を持たせた展示だった。

会期が19日間と短いため、大規模な新設建築を用意した企画ではない。既存の投影・音響設備と、企業イベントで制作したコンテンツを組み合わせ、限定期間の一般公開へ転換した。制作済みの体験を別の観客と営業時間へ合わせ直す、施設型デジタル展示の運用例でもある。

Pantoneにとっては、デザイナーや製造事業者が使う色指定を一般来場者へ届ける機会になった。ARTECHOUSEは、誰もが識別できる一色を入口にして映像表現を見せた。共同制作する両者の役割が分かりやすく、期間限定でも来場理由を伝えやすい。

ただし、展示で感じる青は照明、壁面、周囲の人の影によって変わる。工業製品で同じ色を再現するためのPantone規格と、空間の中で色の変化を味わう作品は目的が異なる。その違いを利用し、色を数値と見本だけで捉えない体験へ広げている。