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Beyond King Tutがボストンで世界初公開、ツタンカーメンの物語を投影空間に

National Geographic Societyとの協業で、古代エジプトの神々と王墓を映像で巡る没入展が開幕した。

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Beyond King Tutで古代エジプトの映像が投影された会場
画像:Beyond King Tut公式発表より(報道引用)

「Beyond King Tut: The Immersive Experience」は2022年7月8日、ボストンのSoWa Power Stationで世界初公開された。National Geographic SocietyとImmersive Experiencesが共同開発し、ツタンカーメン王墓の発見100周年に合わせて開催した。

神々との出会いから王墓へ進む

来場者はラーやアヌビスなど古代エジプトの神々を紹介する空間から、ツタンカーメンの埋葬室と死後の旅を描く映像へ進む。壁面と床への投影、音響、ナレーションを使い、章ごとに場所を移動する構成だった。

順路には九つのギャラリーがあり、少年王の生涯、王墓の発見、古代エジプトの死後観をたどる。入口で神々とその役割を知った後、砂に埋もれていた王墓の発見場面へ進み、最後は冥界を旅する映像で締めくくる。投影室一室に映像を流し続ける形式ではなく、情報と演出の役割を部屋ごとに分けた。

終盤の映像はモントリオールのNormal Studioが制作した。National Geographic Societyの資料を土台にしながら、古代エジプトの冥界を空間映像として見せる。史実の説明と、信仰をもとにした物語表現が連続するため、どこからが演出なのか分かる案内が重要になる。

展示にはNational Geographic Societyのアーカイブを使用した。実物の副葬品を並べる考古学展とは役割が異なり、発掘の記録と古代エジプトの信仰を大きな映像で伝える。

王墓発見100周年に合わせた企画

Howard Carterらがツタンカーメン王墓を発見したのは1922年で、開幕した2022年は100周年に当たる。実物の副葬品はエジプトへ戻っており、制作側は現物を巡回させる代わりに、アーカイブ画像と空間演出で発見の経緯を紹介した。

展示はAmerican Research Center in Egyptとも連携した。同団体はエジプトの文化遺産に関する研究と保存を支援する組織である。没入型映像の娯楽性だけを前面に出さず、考古学と保存活動へ関心を向ける接点を加えた。

発電所跡を期間限定会場に転用

SoWa Power Stationは、ボストンに残る旧発電施設をイベント会場として利用した建物である。高い天井と広い床を投影空間に使い、巡回型の設備を収めた。

開業発表では、通常券を大人32.50ドル、5〜15歳の子ども22.50ドルからと案内し、日時指定で販売した。記事初稿にあった39.99ドルという表記は、公式発表の開始価格と一致しないため訂正する。VIP券には入場時間を柔軟に選べる権利、商品、Hugh Bonnevilleが声を担当するVR体験「Tutankhamun: Enter the Tomb」が含まれた。

VRは基本展示と別の体験として追加され、全来場者が装着する前提ではなかった。大人数が歩く九つのギャラリーと、一人ずつ機器を使うVRを分けることで、処理人数の異なる体験を同じ興行に組み込んでいる。

発表時点の会期は10月2日までで、ピーク日時には売り切れが出ていると運営側が説明した。1回の定員と所要時間は資料に記載されていない。歴史資料の真正性と演出された物語を混同しないため、どの情報が学術資料に基づくかを来場者へ示すことも、この種の展示では重要になる。