Beyond Van Goghがデトロイトへ、300点超の作品と画家の言葉で構成
Normal Studioが、ゴッホの手紙と絵画を映像・音楽へ再構成した巡回展をTCF Centerで開催した。
Beyond Exhibitionsと313 Presentsは2021年4月7日、「Beyond Van Gogh: An Immersive Experience」をデトロイトのTCF Centerで6月25日に開幕すると発表した。企画制作はモントリオールのNormal Studio。300点を超えるゴッホ作品を映像と音楽に組み直した。
画家本人の言葉を順路の軸に
展示では『星月夜』『ひまわり』『夜のカフェテラス』などを壁面へ投影し、絵の一部が現れたり、別の風景へ移ったりする。映像だけを連続させず、ゴッホが残した手紙や言葉をナレーションへ加えた。
来場者は座席から同じ方向を見るのではなく、投影された空間を歩き、好きな位置で鑑賞する。絵画の背景を知る導入区画と、大型映像に包まれる区画を分けた。
展示場を期間限定会場へ
会場には大規模な見本市にも使われるTCF Centerを選んだ。常設美術館ではないため、映像設備と壁面を持ち込み、期間終了後に別都市へ移す。
発表時点では会期終了日、床面積、所要時間を公表していない。類似するゴッホ展が各地で開かれた時期だが、本展はNormal Studio制作の「Beyond Van Gogh」として区別する必要がある。
300点を超える作品を映像へ再構成
展示には「星月夜」「ひまわり」「夜のカフェテラス」など、300点を超える作品が使われた。額縁のある一枚ずつの鑑賞から離れ、花、カフェ、風景の断片が壁面を流れ、消え、別の作品へ変化する。ゴッホ本人の手紙に残された言葉と交響的な音楽を組み合わせ、生涯と作品を一続きの物語として見せた。
企画を手がけたのは、モントリオールのNormal Studioを率いるMathieu St-Arnaud。映像素材を大きく投影するだけでなく、複数面をまたぐ動きと音の時間を設計し、来場者が歩く三次元の展示へ変えた。
コンベンションセンターを期間限定会場に
会場はデトロイト中心部のTCF Centerで、2021年6月25日に開幕する予定とされた。同施設は会議や展示会を受け入れる大規模会場で、固定された美術館展示室ではない。投影機、スクリーン、音響、入退場導線を仮設し、開催期間後に撤去できる巡回型の構成を採った。
Beyond Exhibitionsが企画し、地域の興行会社313 Presentsと提携して販売・運営した。制作済みの映像作品を各都市へ運びながら、会場選定、集客、日時指定券は現地パートナーが担う。
原画の質感や寸法を確かめる展覧会とは役割が異なる。多数の作品と文章を一度に紹介し、ゴッホを詳しく知らない来場者にも人物と作品の関係へ入るきっかけをつくる展示だった。
同時期には同じ画家を題材にした別の没入型展示も各都市で開かれていた。「Beyond Van Gogh」はNormal Studioの制作、300点超の作品、ゴッホ自身の言葉を使う構成を識別点として確認できる。作品名だけで他企画の実績や内容を混ぜないことが重要だ。