『ブラック・ミラー』のフリーロームVRがマドリードへ、6人一組で物語の主人公に
Banijay Live Studioの60分型ハイブリッド体験が、モントリオールに続く欧州初拠点を開きました。
Banijay Live Studioは、『ブラック・ミラー』を題材にしたLBE「THE BLACK MIRROR EXPERIENCE」を2026年6月4日にスペイン・マドリードのEspacio Deliciasで開業した。モントリオールでの世界初演に続く2都市目で、欧州では初の展開となる。
発表された内容
体験時間は60分、参加単位は最大6人、対象年齢は12歳以上。物理セットとフリーロームVRを組み合わせ、参加者がオリジナルストーリーの登場人物になる。脱出ゲームや受動的なショーではなく、物語へ介入するハイブリッド体験として位置付けられている。
制作にはVRスタジオUnivrseが参加。来場者は架空のテクノロジー企業による製品発表へ招待され、AIと人間生活の関係を扱う展開に巻き込まれる。
編集部の見方:少人数制が物語への責任感を生む
最大6人という小さなグループは、一人ひとりの行動を物語へ反映しやすい反面、時間当たりの処理人数を制約する。単価を高めやすいプレミアムIPと、都市を巡回できる再現可能な技術構成が成立条件になる。
映像作品の既存エピソードを再現せず、世界観を使った新規物語にした点も重要だ。原作を知らない来場者を受け入れながら、ファンにはテーマ性で接続できる。
6人・60分という商品設計を読む
最大6人で60分という仕様は、映画館のように大量の観客を同時処理するモデルではない。1グループごとに開始時刻をずらすとしても、機材装着、説明、退出、清掃の時間が加わる。収容人数を増やすには同じ体験区画を複数用意する必要があり、賃料と機材費が膨らむ。そのため、通常のVRアーケードより高い単価を受け入れられるIP力と、安定した稼働率が必要になる。
少人数制には運営上の弱点だけでなく、物語上の利点もある。誰が何を選んだかを参加者同士が認識でき、判断の責任や緊張感を作りやすい。『ブラック・ミラー』が扱うテクノロジーと倫理のテーマは、このグループ内の意思決定と相性がよい。
巡回展開では、物理セットとVRコンテンツを分離しすぎると体験が一般的なVR施設に見え、セットを作り込みすぎると移設費が増える。モントリオールからマドリードへ展開した実績は最初の検証になるが、会場転換期間、稼働率、次都市は未公表であり、事業モデルの再現性は今後の展開数で判断する必要がある。