新宿小田急でcode name: WIZARD、Magic Leap 1を使うMR謎解き
催事場と館内を舞台に、手の動きで魔法を操作する体験を開催。MR、映像、謎解きを一つの物語にまとめた。
小田急百貨店新宿店は2020年12月26日、「code name: WIZARD Episode 1 魔導書の謎と六匹の妖精 XRシティ SHINJUKU」を始めた。Magic Leap 1を装着し、現実の催事場に現れる映像へ手の動きで介入するMR謎解きである。会場は本館11階催物場を中心に、百貨店内と周辺へ広がった。
カクシンが企画・開発した作品で、NTTドコモが協賛した。東京タワーで先行していた全6話のうち、一部を新宿会場へ移し、街や商業施設を歩く謎解きとMRによる「魔法体験」をつないだ。
手の動きを魔法の操作に変える
参加者は受付でキットを受け取り、本館と周辺に配置された手がかりを探す。すべての謎を解くと、Magic Leap 1を使う最終パートへ進めた。物語上の魔法使いとなり、空間に現れる妖精や物体を探す。手を伸ばす、狙うといった動作を操作として認識し、左右の手から魔法を発動して映像内の出来事を進める。
Magic Leap 1は、透過型ディスプレーを通して現実の風景にデジタル映像を重ねるヘッドセットだ。視界を完全に覆うVRと異なり、参加者は催事場の床や壁、スタッフの位置を見ながら動ける。作品側は現実の空間を背景として残し、そこへ妖精や魔法の演出を置いた。
催事場を中心にしながら、百貨店内の別地点へ向かう要素も用意された。専用区画だけで完結させず、館内を移動する理由を物語へ組み込んでいる。
百貨店の催事としてMRを運営
会期は2021年1月21日までで、2021年1月1日は休業。実施時間は原則11時から19時30分、最終受付は閉場の1時間前だった。参加条件は14歳以上とされ、専用チケットが必要だった。
端末の装着説明、体験者ごとの位置合わせ、機器の清掃が必要なため、紙のキットだけで進む謎解きよりスタッフの運営業務は多い。一方、すべての行程でヘッドセットを使わず、館内回遊の後にMR体験を置く構成は、保有台数が限られる機器でも参加者を順番に案内しやすい。
KAKUSINが開発したMR作品を、小田急百貨店とNTTドコモの「XRシティ SHINJUKU」の取り組みに接続した。既存の百貨店を物語の舞台に変え、館内回遊と機器を使う場面を分けて提供した期間限定企画だった。
東京タワー版を新宿の動線へ組み替える
Episode 1は、もともと東京タワーで公開された作品である。東京タワー版ではフットタウン1階から3階と高さ150メートルのメインデッキを巡り、全問正解後にMagic Leap 1を受け取る流れだった。新宿版は同じ物語と操作方法を使いながら、小田急百貨店の館内と周辺に合わせて手がかりの位置を組み直した。
この移設は、映像データだけを別会場へ持ち込んでも成立しない。受付から各地点までの距離、一般の買い物客と交わる場所、端末を装着する区画を現地に合わせて設計する必要がある。現実の場所をゲーム盤として使うMR作品では、会場の動線がコンテンツの一部になる。
全6話に6匹の妖精を割り当て、章ごとに異なる魔法の試練を用意する構成も、再訪の理由をつくった。新宿で公開された章は後に東京タワーへ集約され、2021年の再開時には6章すべてを同会場で遊べる形になった。