← INDEX

体験コンテンツ公開:

気球に乗って世界を巡る「コスモバルーン」、城島高原パークから展開

最大6人が同じ仮想気球に乗り、世界各地の空を巡る約8分のフリーロームVR。城島高原パークを皮切りに施設展開を計画した。

REVIEWED
コスモバルーンで気球型のVR体験を楽しむ来場者
画像:ダイナモアミューズメント提供、公式発表より(報道引用)

ダイナモアミューズメントは2022年8月9日、ハシラスと共同開発したフリーローム型VRアトラクション「コスモバルーン」を発表した。最大6人が同じ仮想気球へ乗り込み、世界各地の空を巡る。大分県の城島高原パークへ「コスモバルーン VRワールドツアー」として導入し、その後は全国の施設で展開する計画だった。 企画とコンテンツ制作はダイナモアミューズメント、プログラム開発はハシラスが担当。1回の体験時間は最大約8分で、必要なプレイエリアは7.7メートル×4.2メートル。常設施設にも短期イベントにも導入できる仕様として発表された。

最大6人で同じ気球へ乗り込む

参加者はVRヘッドセットを着け、体験エリアを実際に歩いて仮想の気球へ入る。VR空間では自分と同行者の姿がアバターとして表示され、互いの位置を確認しながら会話できた。1人でも遊べるが、同じ景色を複数人で眺めることを中心に据えた作品である。

物語の中で気球「コスモス号」は、自然環境を守る「エコスモ粒子」を世界各地へまく仕事をしている。日々の仕事と、その途中で目にする景色を人々に知ってもらうため、乗客を遊覧飛行へ招くという設定だ。参加者はコスモス号に同乗し、世界の空を巡っていく。

公式発表は「大空の風を一緒に感じる」と表現している。ただし、送風機などの物理演出を使うとは記載していない。風を実際に発生させる装置があったと断定せず、公開情報から確認できるのは、映像と歩行、同乗者とのコミュニケーションを組み合わせた体験までである。

Quest 2とキネトスケイプで機材を簡素化

ヘッドセットには、単体で動作するMeta Quest 2を採用した。位置共有と複数人のフリーロームには、ハシラスが開発したアプリケーション「キネトスケイプ」を使う。背負い式PCを用いずに歩き回れる構成で、屋内であれば会場を選ばず実施できると説明された。

気球内の手すりにも工夫がある。VR空間に見える手すりと、現実の会場に置いた手すりの位置を一致させた。参加者が仮想の手すりへ触れようとすれば、同じ位置に実物がある。移動中の支えになると同時に、目に見える物と手で触れる物のずれを減らす仕組みだ。

コンテンツの一部は開催地に合わせて変更できた。アトラクション内の2D画像や360度映像を差し替え、導入施設のイメージや短期イベントのデザインへ合わせられる。作品全体を作り直さずに、会場ごとの見せ方を加えられる仕様だった。

城島高原パークから施設展開へ

最初の導入先となった城島高原パークでは、既存の遊園地に加わるVRアトラクションとして提供された。最大6人を約8分で案内できるため、1人ずつ長時間遊ぶ体験に比べ、グループ客をまとめて受け入れやすい。ダイナモアミューズメントは、集客イベントでも高稼働を見込めるとしていた。

作品の題材は戦闘や脱出ではなく、気球で巡る世界旅行だ。操作の巧拙を競う内容も公式発表には記載されていない。子どもから高齢者までを対象に掲げ、家族や友人が一緒に参加しやすい方向へ設計されている。

10人乗りVRで共有体験を運営

コスモバルーンの特徴は、フリーロームVRを対戦ゲームに使わず、同じ乗り物から景色を眺める体験にしたことだ。最大6人の位置とアバターを共有し、実物の手すりも仮想空間へ合わせる。同行者がどこにいるか分かるため、家族や友人と一緒に旅をしている感覚を作りやすい。

施設側から見ると、Quest 2を使った簡潔な機材構成、約8分の所要時間、画像や映像を差し替えられる仕様が導入条件になる。体験内容だけでなく、常設とイベントの双方で運用できる形まで含めて設計した点に、ロケーション向けVRとしての狙いが表れている。