NFT作品を展示する「CryptoArtTown」、ブラウザから入れる仮想美術館を公開
withID、グラコネ、KEY4d LABが、PCやスマートフォンから巡れるNFTアート向けの3D展示空間を公開しました。
withIDとグラコネ、KEY4d LABの3者は2021年4月22日、NFTアート専用のデジタルギャラリー「CryptoArtTown」を公開した。略称はCAT。PCやスマートフォンのWebブラウザからアクセスし、三次元空間を移動しながら作品を鑑賞できた。
方式は、特別なVR機器を必要としないWebVR。専用ヘッドセットを持っていなくても、一般的な端末から利用できる。画面上の操作で展示室を巡り、気になった作品はオークションのページまで進める構成だった。
朝から夜までの空が同居する展示室
CryptoArtTownの背景には、朝から夜までの空模様を組み合わせた360度のコラージュを採用した。背景は現実の時刻と連動しない。すべての時間帯が一つの仮想空間に同居し、世界中の利用者が同じ構成を鑑賞できた。
展示空間はドーナツ状。来場者は時計回りでも反時計回りでも自由に移動でき、決まった鑑賞順路を設けなかった。円形の壁を使うことで、作品群を壁で完全に分断せず、緩やかに区切った。
設計意図として、作品に向き合う時間と、次の作品へ移る間に気持ちを切り替える余白を設けたという。異なる世界観を持つNFT作品を一緒に並べたとき、隣接する作品同士が視覚的に混ざることも避けようとした。
三つのパーツで展示規模を変える
ギャラリーは三つの基本パーツで構成された。円の半径を調整すると、展示する作品数に合わせて空間を拡大・縮小できる。作品の追加や入れ替えが続くWeb上の展示に対応しやすい設計だ。
円形の壁は、作品同士を完全に仕切らず、隣り合う作品の世界観が混ざらない程度の距離をつくる。作品を見る時間と、次の作品へ移るまでの余韻を一つの環状空間に組み込んだ。
OpenSeaへ移動して作品を購入
鑑賞中に作品の購入を希望した場合、ギャラリーからNFTマーケットプレイス「OpenSea」へ直接移動できた。支払いには暗号資産のイーサリアムを使う。CATは作品を眺める展示室を担い、購入手続きはOpenSeaにつないだ。
作品と販売ページを同じ画面に詰め込まず、鑑賞から購入へ進む導線だけを設けている。来場者は空間を歩く感覚で作品を見比べ、購入を決めた段階で外部のマーケットプレイスへ移る。
NFTチャリティープロジェクトと連動
公開時のCryptoArtTownは「kizunaNFTチャリティープロジェクト」と連動していた。この企画では、著名人やアーティストのデジタル作品をNFTとして販売し、収益を寄付活動へ回す。
グラコネは暗号資産を使った寄付活動を続けており、2020年にはBinance Charity財団と協力して、日本円換算で約855万円分の暗号資産を集めた。資金は、新型コロナウイルス感染症へ対応する医療機関や福祉施設へのマスク、医療用ガウンの寄付に使われたと発表している。
2021年4月7日には、同プロジェクトの第1弾として、グラコネ代表の藤本真衣が制作したNFT作品の販売益130万円を全額寄付した。CryptoArtTownは、その後に続くデジタル作品を見せ、販売先へ案内する場として公開された。
朝から夜までの空を一度に見せる背景と、どちら向きにも歩けるドーナツ状の展示室。CryptoArtTownは、現実の美術館をそのまま再現せず、Webブラウザの中で作品を巡るための景色と順路をつくった。そこからOpenSeaへ移動できるため、鑑賞と購入の間も切れにくい。NFT作品の展示、販売、チャリティーを一つの流れにつないだ仮想ギャラリーだった。