Faro Santander、歴史的本店に没入型ギャラリー「Cubo」を開設
360度投影、約400平方メートルのLED外装、VRで、旧Banco Santander本店と港町の記憶を映す。
Fundación Banco Santanderは2026年8月20日、文化施設「Faro Santander」の開業日を発表した。9月8日に、スペイン北部カンタブリア州サンタンデールで開く。会場はBanco Santanderの旧本店、Edificio Peredaだ。
歴史的な建物を改修し、年間を通じてアートと技術を扱う。教育活動や参加型プロジェクト、一般向けプログラムも実施する。建築設計は、2023年にプリツカー賞を受賞したDavid Chipperfieldが担った。
その中で「Cubo」は、アートとテクノロジーのプログラムを担う視聴覚ギャラリーである。二つのフロアにまたがる空間の内部へ360度の没入型投影システムを置き、外部全体には約400平方メートルのLEDスキンを施す。建物の中に入った観客向けの映像環境と、館内を行き交う人にも見える外装表示を、一つの設備に重ねた構成だ。
1857年からの都市と建物を3つの媒体で見せる
開業時の作品は「Antes de Faro Santander」で、建物とサンタンデールの集合的な記憶を主題にした3つの視聴覚体験から成る。内部の投影は、Banco Santanderの創業年である1857年から現在へ至る時間を扱い、港と都市の変化、銀行の節目、近現代史の出来事を織り交ぜる。公式発表の写真にも、港と石畳の街路を投影した空間が示されている。
外部のLEDスキンは、建物を文化施設へ転換した改修の過程と、かつての銀行で使われた家具の品々を映す。第三の体験では、来場者がVRヘッドセットを装着し、建物内の代表的な空間を歴史的に再現した環境へ入る。年表としての投影、改修資料や家具を見せる外装、空間の再現を歩くVRは、同じ建物を異なる距離と尺度で扱う役割を持つ。英語版の公式発表は、これらのコンテンツをZanskar、Layers of Reality、Interventoが開発したとしている。
「Antes de Faro Santander」の会期は2026年9月8日から2027年4月まで。発表資料には、各体験の所要時間と1回当たりの定員が記載されていない。VRヘッドセットの台数と利用料金も不明だ。投影・LEDの解像度や保守体制についても説明はない。具体的な利用条件は、Faro Santanderのチケット案内で確認する必要がある。
施設全体のプログラムと接続するCubo
Faro Santanderの活動は四つの領域で構成される。Cuboが担うのは「アートとテクノロジー」だ。このほか教育とメディエーション、参加型プロジェクト、一般向けプログラムがある。
Cuboではアーティストが技術者や研究機関と共同で作品を制作する。360度投影や外装LEDなどの設備を、入れ替わる作品の上映に使う計画だ。
「Llamita」は、家族と学校を主な対象に遊びと創作を扱う。「Marisma」では、カンタブリアの作家や文化団体と進めるプロジェクトを発表する。オーディトリアムでは対話型の催しや映画上映、音楽公演、ライブアートを行う。
プログラム・ディレクターのAna Botella氏は、分野を越えたコミュニティをつくる方針を示した。アーティストに加え、研究者や教育関係者、市民の参加を想定している。
開業時は建物の歴史を三つの方法で紹介
開業時の「Antes de Faro Santander」は、室内投影と外装LED、VRの三つで建物の歴史を紹介する。室内では1857年から現在までの変化を映し、外装には改修の記録を表示。VRでは、建物の代表的な空間を再現した環境に入る。会期は2027年4月までで、その後の作品は発表されていない。