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テクノロジー公開:

FlyOver Las Vegasが開業、8K映像と動く座席で米西部上空を巡る

直径52.5フィートの球面スクリーン、6軸の座席、風や霧、香りを組み合わせた飛行体験。

REVIEWED
FlyOver Las Vegasの飛行体験用シアター
画像:Las Vegas Convention and Visitors Authority公式発表より(報道引用)

Pursuitは2021年9月1日、ラスベガス・ストリップでフライングシアター「FlyOver Las Vegas」を開業した。座席を映像に合わせて動かし、米国西部の景観を空から移動する感覚をつくる常設施設である。

来場者はVRヘッドセットを装着せず、吊り下げられた座席から大型スクリーンを見る。映像、座席の傾き、風や香りを施設側が一括して同期できるため、一回の上映を複数人で共有する。

球面映像と6軸の動きを同期

シアターでは8K映像を直径52.5フィートの球面スクリーンに投影する。足元が床から離れる座席は6方向に動き、カメラの旋回や高度変化に合わせて傾く。風、霧、場所ごとに異なる香りも映像へ同期する。

開業時のプログラム「The Real Wild West」は、ネバダ、オレゴン、ワシントン、モンタナ、カリフォルニア、アリゾナ、ユタ、コロラド、ワイオミング、ニューメキシコの22地点で撮影された。グランドキャニオンの谷、オレゴン州のCascade Volcanic Arcなどをつなぎ、実際の旅程では一度に回れない距離を一つの飛行として編集した。

座席には6自由度の動作機構があり、前後・左右・上下の移動感を映像へ合わせる。足が床から離れた状態で球面スクリーンを見ることで視野の端まで映像が入り、機械の移動量以上の飛行感をつくる。風、霧、地点に合わせた香りは、速度や高度の変化を身体へ補う。

都市観光の中に短時間の周遊を置く

施設はカジノやホテルが集まるストリップ沿いにあり、長距離移動をせずに各地の景観を見られる。飛行前後の待機空間にも映像や案内を配置し、搭乗部分だけで終わらない流れを作った。

観光都市の中心で、別の観光地を題材にする点にも特徴がある。米国西部の複数地域を短時間で紹介し、実際の自然景観へ関心を持つ入口として構成された。現地旅行の代替をうたった施設ではない。

大型映像、機械装置、環境効果を同期させるため、上映作品の更新には撮影だけでなく座席動作と演出データの再調整が必要になる。常設設備を共通化し、映像作品を入れ替える運用モデルである。

各便の開始時刻と定員を管理できる一方、上映中に来場者が自由に移動することはない。フリーロームVRより安全管理の範囲を限定しやすく、同じ物語を同時に体験したグループが感想を共有しやすい。映像作品を更新しても、座席、スクリーン、入退場動線は継続利用できる。

撮影素材とライド制御を一作品として編集

空撮映像をそのまま上映しても、座席の動きがカメラとずれれば飛行感は弱くなり、乗り物酔いの原因にもなる。旋回、上昇、下降の各場面に合わせて6軸の動作を決め、風や霧を出す時刻も同じ再生データへ記録する必要がある。

香りは映像内の場所を補う一方、前の上映で残った匂いが次の場面へ混ざる可能性もある。換気や噴射量まで含めて再現性を保つことが、常設ライドの品質管理になる。FlyOverはスクリーンに加え、座席、送風、噴霧、香りの装置を毎回同じ順序で動かすシステムとして運営される。