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ビジネス公開:

イマーシブ・フォート東京、長時間シアター中心の施設へ転換

刀イマーシブは、作品別チケットと長時間の没入型演劇を軸に施設を刷新。後に得た運営上の学びも公表した。

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「東京リベンジャーズ」「ザ・シャーロック」「江戸花魁奇譚」「真夜中の晩餐会」の4作品ビジュアル
画像:刀イマーシブ合同会社 公式発表より(報道引用)

刀イマーシブ合同会社は2025年2月4日、東京・お台場の「イマーシブ・フォート東京」を同年3月1日から刷新すると発表した。開業1周年に合わせ、複数のアトラクションを1日で回るテーマパーク型から、長時間のイマーシブシアターを作品別チケットで観るライブ・エンターテインメント施設へ運営を切り替える内容だった。新コンセプトは「さあ、感動の最前列へ」。

1日パスから、観たい作品を選ぶ販売へ

開業時の施設は、旧ヴィーナスフォートの2・3階、約3万平方メートルを使う完全屋内型テーマパークとして設計されていた。12のアトラクションと6店舗を備え、基本は「1day イマーシブ・パス」。大人料金はカジュアル6,800円、長時間作品を含むスタンダード9,800円、プレミアム14,800円という券種だった。

刷新後は1日パスをやめ、観たい作品を個別に購入する方式へ移した。学校や仕事の後に1作品だけ観る利用も想定していた。館内にはレッドカーペットを敷く一方、「ジャック・ザ・リッパー」など一部の既存作は2025年2月末までに終了。「第五人格 イマーシブ・チェイス」と「【推しの子】イマーシブ・ラリー」も対象となった。

転換の根拠として同社は、体験時間の長い追加有料作品への需要を挙げた。旧作「ザ・シャーロック」は2024年3月から2025年2月までに約15万人を動員した。「江戸花魁奇譚」は2024年3月から12月までの完売率が97%、「東京リベンジャーズ イマーシブ・エスケープ」は2024年3月の顧客満足度が99%だったとしている。これらは同社発表の集計値であり、調査方法や回答数は公表されていない。

4作品で示した、少人数・長時間の運用

3月以降の核となったのは4作品だった。「ザ・シャーロック~ジェームズ・モリアーティの逆襲」は、旧作を序章とする二幕制に改め、使用エリアと個室での少人数体験を追加。登場キャラクターは約40人、最大180人、体験時間120分、料金7,800円と発表された。クリエイティブ・ディレクターは、施設のクリエイティブ統括責任者でもある津野庄一郎が続投した。

「江戸花魁奇譚」は最大30人の少人数制を維持しながら、別の結末を加えたマルチエンディングへ更新。体験時間は70分、料金は14,800円で、クリエイティブ・ディレクターは興山友恵。「東京リベンジャーズ イマーシブ・エスケープ」は105分、7,800円で、キャラクターと近く接する少人数の体験を従来の3倍に増やすとした。

さらに4月下旬には、飲食付きの新作「真夜中の晩餐会 Secret of Gilbert's Castle」を加える予定だった。19世紀ヨーロッパをモチーフにした空間でコースディナーを提供する。25人の登場人物と最大50人のゲストが参加し、体験時間は120分。興山がクリエイティブ・ディレクターを担い、料金は発表時点で未定だった。

4作品は、定員、上演時間、飲食の有無がそれぞれ異なる。施設一括の入場券から、作品ごとに販売と上演、人員配置を管理する運営へ変わった。

後に公式が示した「規模」と需要のずれ

この刷新から約10か月後の2025年12月、株式会社刀は施設を2026年2月28日で営業終了すると発表した。同社は当初、大人数向けの「ライトな体験」が中心になると見込んでいた。しかし、実際には人数を限定した「ディープな体験」に需要が偏ったという。開業2年目の業態変更を経て、施設規模が需要に対して過大だと判断した。

営業終了の判断には、財務面を含む当初計画との隔たりもあったと説明している。ただし、作品別の収支や来場実績は開示されていない。2025年3月の刷新は、少人数・長時間の作品へ需要が集まったことを受けた事業転換だった。その後も、約3万平方メートルの施設全体を維持する判断には至らなかった。