KDDI DIGITAL GATEをVRで案内、遠隔から施設ツアーに参加
KDDIの共創拠点をVR空間に再現し、案内役と参加者が離れた場所から巡る施設ツアーが始まりました。
Synamonは2020年5月15日、KDDIの5Gビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」を案内するバーチャル施設ツアーに技術を提供したと発表した。東京・虎ノ門の施設をVR空間に再現し、現地へ足を運べない参加者にも内部を紹介する取り組みだ。
開始日は5月15日。背景には新型コロナウイルスの感染拡大があった。当時のKDDI DIGITAL GATEは施設利用を停止中。KDDIは感染を防ぎつつ、所在地に左右されず拠点を利用できる方法としてVRを採用した。
虎ノ門の共創拠点をVRで再現
KDDI DIGITAL GATEは2018年9月、企業の新規事業や課題解決を支援する拠点として虎ノ門に開設された。デザイン思考を使ったワークショップ、アジャイル開発チームによる試作、5Gの実証環境などを提供していた。公式発表によると、開設から2020年5月までに延べ380社を超える企業が訪れている。
使用したシステムは「NEUTRANS BIZ」。Synamonが法人向けに提供していたVRコラボレーションシステムだ。現実の施設を仮想空間内に再現し、参加者が同じ場所へ接続できる。複数人が一つのVR空間でリアルタイムに会話でき、会議や研修、説明会での利用を想定していた。
施設のVR化自体は、2019年10月に発表済みだった。今回の取り組みでは、その空間を実際の施設案内に使い、KDDI DIGITAL GATEの通常業務へ組み込んだ。
案内役と参加者をWeb会議でつなぐ
接続にはWeb会議ツールを使った。VR空間に入る案内役と、現実空間にいる参加者をつなぐためだ。公式画像には、案内役のアバターがオープンスペースで施設概要を説明する場面が写っている。参加者は説明を聞きながら、再現された空間やそこで行う活動を画面越しに確認する。
全員がVRヘッドセットを装着する方式ではない。Synamonは「専用のVR機器がなくても体験共有できること」を目標に掲げ、VR側の案内役とWeb会議側の参加者を組み合わせた。機器の有無を参加条件にせず、既存のオンライン会議環境からツアーへ参加できる構成だった。
発表では、使用したWeb会議サービス名、1回当たりの参加人数、所要時間は明らかにされていない。予約方法や一般公開の有無にも触れておらず、企業向けの施設案内として始まった運用の概要が示された。
施設案内から事業支援へつなぐ
KDDI DIGITAL GATEでは、顧客企業の課題を探るワークショップやスクラム開発もリモートで続けていた。VRツアーは施設を見せるだけの催しではなく、オンラインで相談や新規事業開発を始めるための入口として導入された。
実際の拠点を歩く場合、参加者は設備の配置や部屋同士の距離を目で確かめながら説明を受ける。今回の仕組みは、その案内手順をVR空間とWeb会議に移したものだ。SynamonとKDDIは発表時点で、両社の技術や事業基盤を活用し、バーチャル空間を使ったサービス開発を進めるとしていた。
利用件数は未公表。商談への効果も明らかになっていない。公式発表が伝えているのは、既存のVR空間をコロナ禍の施設案内へ転用し、専用機器を持たない参加者にも共有する運用を始めたところまでだ。