沼津港に最大18人の「VR深海アドベンチャー」、駿河湾の海底遺跡を巡る
ティフォンが港八十三番地向けに、最大18人で潜水艇に乗る「VR深海アドベンチャー ディープクルーズ」を開発しました。
ティフォンは2022年8月23日、静岡県沼津市の複合観光施設「港八十三番地」向けに「VR深海アドベンチャー ディープクルーズ」を開発していると発表した。開業予定は同年冬。VRで再現した駿河湾を潜水艇で進み、古代海底遺跡を探検するライド型アトラクションだ。
最大18人で潜水艇に乗る
「ディープクルーズ」は最大18人が同時に参加できる。潜水艇に見立てたライドへ乗り、駿河湾の海中から未知の遺跡へ向かう。映像を見るVRに身体で感じる「4D要素」を組み合わせると案内したが、座席の動きや風など、個々の演出内容は発表時点では公表していない。
企画・制作はティフォンが担当し、港八十三番地を運営する佐政水産が監修と運営を担う。料金、所要時間、利用条件、営業日時は今回の発表に記載されていない。2022年冬という予定だけが示された段階だった。
駿河湾の地形と生き物を題材に選ぶ
駿河湾は海底の勾配が急で、1000種類を超える魚類が生息すると紹介されている。希少な深海生物が見つかった例もある。制作側はこうした地域の特徴をVR空間へ取り込み、そこへ古代遺跡を巡る架空の物語を加えた。
発表は「VRで再現された駿河湾」と説明しているが、測量データや実際の海底地形をどの範囲まで使ったかは示していない。科学的な海中再現と断定せず、駿河湾を題材にした冒険作品として捉えるのが正確だ。
深海水族館と既存ライドの隣に開設
港八十三番地は、沼津港の魚介や静岡県産食材を扱う飲食店と、深海を題材にした観光施設が集まる複合モールだ。敷地内には「沼津港深海水族館―シーラカンス・ミュージアム」と、ライド型シューティング施設「THE DEEP SEA WORLD―深海王国」があった。
沼津港深海水族館は2011年に開業し、佐政水産の発表では年間約40万人が訪れていた。2019年には「THE DEEP SEA WORLD」を追加。「ディープクルーズ」は、同じ運営会社が進めてきた深海テーマの施設群に加わる新しい体験として計画された。
港八十三番地の発表時の営業時間は9時から22時で、店舗によって異なる。年中無休だが、1月には保守作業のため休業する場合があると案内された。「ディープクルーズ」固有の営業時間は未発表だった。
水産会社とXR制作会社が役割を分担
佐政水産は沼津で109年にわたり水産加工業を営み、水産物の荷受けや仲買、自社加工に加えて観光・飲食事業を展開してきた。沼津港の活性化を目指し、水族館やアトラクションを順次開設している。
ティフォンは、XRサービスの事業計画から開発、導入までを手掛ける企業だ。XRテーマパーク「ティフォニウム」も運営していた。今回は、地域と深海に関する知識を持つ佐政水産が監修・運営し、ティフォンがVR作品を制作する分担を取った。
地域固有の題材をVRへ持ち込む
最大18人という仕様は、1人用や少人数用のVRより多くの来場者を同時に受け入れられる。一方、実際の回転率は体験時間、乗降、機材の清掃にかかる時間で変わる。これらの条件は発表されていないため、運営能力までは評価できない。
企画の特徴は、既存の水族館に隣接する場所で駿河湾を題材にしたことだ。ただし、水族館の来場者が続けてVRを利用したか、施設全体の滞在時間が延びたかを示す数字はない。地域テーマの効果は、開業後の利用データを確認する必要がある。