さっぽろ雪まつりの大雪像に「アイヌラックㇽ伝」、夜間投影をMoment Factoryが制作
アイヌの物語を題材に、巨大な雪像の形へ映像と音を合わせるプロジェクションマッピングが上映されました。
Hard Rock Japanは2020年1月14日、第71回さっぽろ雪まつりでプロジェクションマッピングショーを実施すると発表した。題材はアイヌの天地創世神話の一つ「アイヌラックㇽ伝」。カナダ・モントリオールを拠点とするMoment Factoryと共同で制作した。
会期は2月4日から11日まで。大通公園西4丁目STV広場に設置された大雪像へ、毎日日没から午後10時まで順次投影した。観覧料や一回の上映時間について、発表資料には記載がない。
高さ12メートルの大雪像に投影
映像を受ける大雪像の名称は「ALL IS ONE™ ~世界のはじまり、アイヌ物語~」。高さ12メートル、横幅20メートル、奥行き15メートルの規模で、Hard Rockが協賛した。
大雪像が表現したのは、人間をはじめ、動物や植物、道具にも魂が宿り、互いにつながっているというアイヌの世界観だ。雪で造形した像を昼間に展示し、日没後はその表面をプロジェクションマッピングの舞台として使った。
公式発表はショーの映像構成、使用した投影機の台数、音響設備を明らかにしていない。既存本文にあった「人物や自然の動きを音楽と同期させた」という説明も、発表資料だけでは確認できなかったため削除した。
「アイヌラックㇽ伝」を題材に
「アイヌラックㇽ」の末尾にある「ㇽ」は、アイヌ語のカタカナ表記に合わせた小書き文字だ。Hard Rock Japanは、北海道で長く受け継がれてきた天地創世神話に着目し、自然との共生という考え方を国内外の来場者へ伝える目的を示した。
発表資料では神話の詳しい筋書きや、雪像に登場する人物の名称までは説明されていない。このため、既存本文にあった「英雄神オキクルミをめぐる物語」という要約は外し、主催者が明記した範囲にとどめた。
大通公園の雪像は、冬季の気候と雪まつりの制作技術によって成立する。今回のショーでは、既成の建物や常設スクリーンを投影面に使わず、会期のために造られた大雪像へ作品を合わせた。
Moment Factoryが北海道で再び制作
Moment Factoryは、映像、照明、建築、音響、特殊効果を扱うマルチメディアスタジオだ。2001年の創業以降、発表時点までに400件を超えるプロジェクトを手がけ、シンガポール・チャンギ国際空港やサグラダ・ファミリア、マドンナのライブなどで空間演出を制作していた。
北海道では前年の2019年7月、阿寒湖の森で「KAMUY LUMINA」を開始している。夜の森を歩き、光と映像、音響、インタラクティブな仕掛けを体験する作品だ。アイヌに伝わる「コンクワ」を題材に、阿寒湖の人々と共同制作した。
今回の「アイヌラックㇽ伝」は同じ北海道とアイヌ文化を扱うが、体験形式は異なる。KAMUY LUMINAは森の中を歩くナイトウォークで、さっぽろ雪まつりでは一つの大雪像を観覧するプロジェクションマッピングとして展開した。
日没から午後10時まで順次上映
公式の開催概要には「毎日日没~午後10時順次上映」とある。単一の開演時刻を設けた一回限りの公演ではなく、夜間の時間帯に複数回見る運用だったことが分かる。ただし、上映間隔と最終回の開始時刻は公表されていない。
既存本文では、この方式が「来場者の集中を防いだ」と説明していた。しかし、混雑対策を目的としたという記載や、実際の混雑状況を示す資料はない。そこで運営上の効果を断定せず、公表された上映時間だけを記載する。
発表資料には、大雪像の寸法と題材、会場、会期、夜間の上映時間が記載されている。Moment Factoryとの協業も公表された。一方、来場者数や鑑賞後の反応、アイヌ文化を伝える効果は示されていない。