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テクノロジー公開:

Say Their NamesがCentral ParkでAR展示、50基の仮想台座に212人を記録

人種差別により命を失った人々の写真と記録を、位置情報に合わせて表示する屋外AR展が開幕した。

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Say Their Names Memorial ExhibitionのAR展示イメージ
画像:San Diego African American Museum of Fine Art公式発表より(報道引用)

San Diego African American Museum of Fine Artは2022年9月6日、AR展示「Say Their Names Memorial Exhibition」をニューヨークのCentral Parkで開催すると発表した。会期は9月17日から1カ月。19世紀に黒人住民が暮らしたSeneca Villageの跡地を会場に選んだ。

50基の台座をスマートフォン越しに表示

来場者はMembitアプリを端末へ入れ、園内マップに沿って歩く。指定場所で画面を向けると、実際には存在しない50基の台座がARで現れ、各台座に4人前後、合計212人の写真と説明を表示する。

物理的な構造物を公園へ多数置かず、位置情報とカメラ映像を使って追悼の場所を作った。写真にはニューヨークに関係する人物も20人以上含まれた。

50基の仮想台座には一基あたり約4人を割り当て、写真、氏名、その人物についての説明を読めるようにした。展示対象は、米国内で人種的不正義によって命を失った212人。ニューヨークにゆかりのある人物を20人以上含めることで、全国的な問題と開催地の記憶を結び付けた。

来場者は公園内に置かれた実物の案内とアプリの地図を手掛かりに移動する。ARはどこで開いても同じ像を出す方式ではなく、指定された場所へ行くことで台座が現れる。画面上の情報と実際の地面を重ねるため、鑑賞者自身がSeneca Village跡地を歩くことが体験の一部になる。

場所の歴史と展示内容を重ねる

Seneca Villageは、Central Parkの建設前に存在したアフリカ系米国人の集落だった。展示は人種的不正義で亡くなった人々の記録を、その歴史が残る場所で読むように構成した。

Seneca Villageは1820年代から住民が暮らし、黒人の土地所有者もいた集落だったが、Central Park建設に伴って土地が収用された。現在の公園景観だけから当時の住宅や生活を想像するのは難しい。物理的な記念碑を恒久設置せず、ARで情報を重ねる方法は、歴史的な場所を傷めずに別の時間層を示す手段となる。

共有機能も追悼の一部に

アプリには、4人分の顔と名前を表示した画面を録画し、個人の追悼として共有する機能が用意された。現地鑑賞を公園内だけで終わらせず、来場者が展示対象の名前を外へ伝える導線である。主催者は展示名の通り、亡くなった人々の名前を記憶し、語ることを重視していた。

一方で、スマートフォン、アプリの導入、位置情報、カメラ利用が鑑賞の前提となる。端末を持たない人、対応機種を使えない人への代替手段は発表文に記載されていない。公共空間のデジタル展示では、設置物を減らせる利点と、端末への依存をあわせて考える必要がある。

アプリは画面収録にも対応し、4人の顔と名前を個人の追悼として共有できると案内した。端末を持たない来場者への対応や、屋外での測位精度については発表資料に記載されていない。