ソニー、「The Last of Us」のLBE実証をCES 2025で展示 LED・音・触覚・匂いを連動
ソニーがCES 2025で実施した「The Last of Us」LBEの概念実証を、展示仕様と制作体制から検証する。
ソニーグループは2025年1月6日、CES 2025のプレスカンファレンスで「Future Immersive Entertainment Concept」を披露した。ゲーム『The Last of Us』を題材にしたLBEの概念実証(PoC)である。翌7日から10日まで、ラスベガス・コンベンションセンターのブース20800で展示された。常設アトラクションの開業や商品化が決まったわけではない。
画面の中の地下鉄を、来場者のいる空間へ
体験空間の中心には、周囲を囲むCrystal LEDのウォールがある。ソニーの会場レポートでは、『The Last of Us Part II』の地下鉄トンネルの場面が映され、来場者が暗がりを照らしながらクリッカーに対峙する様子を公開している。参加者は映像に囲まれた空間へ入り、目の前で進む物語に反応する。
Crystal LEDの映像には、360 Reality Audioによる立体音響と触覚提示を連動させた。さらに、においと霧も加えている。特設ページによると、においの提示にはTensor Valve技術を使う「Grid Scent」を採用し、狙った場所へ香りを届ける仕組みだ。ゲーム内の出来事を視覚だけで見せず、音、振動、においを通じて参加者の身体へ伝える構成だった。
試作コントローラーで「撃退」に参加する
参加者には、ソニーのR&Dプロトタイプ「Mimic Controller」が用意された。公式の制作紹介によれば、重量感と慣性によるフィードバックを備え、今回の展示では迫るクリッカーを退ける操作に使われた。参加者がコントローラーを動かすと、その操作が周囲の映像や演出に反映される。
この展示では、参加者が自分の操作で物語の場面に関わる。入力装置も会場での体験に合わせて試作した。Mimic Controllerは研究開発中のプロトタイプであり、市販されていない。
IP横断の制作体制を示した概念実証
ソニーはこの取り組みについて、映像、音響、触覚の技術を組み合わせ、コンテンツIPの新しい表現方法を探るものだと説明している。制作はソニー・ピクチャーズが主導し、PlayStation StudiosとNaughty Dog、映像制作会社Pixomondoが参加した。Naughty Dogのニール・ドラックマンはCESの発表に登壇している。
『The Last of Us』はゲームに加え、実写ドラマにも展開されている。今回のCES展示では、その物語世界を会場型の体験へ移す方法が試された。
会場のブース展示に加え、オンライン空間「Sony Square」でも関連コンテンツが紹介された。ソニーはCES展示全体を三つの段階に分け、この概念実証を物語が画面外へ広がる事例として扱った。
CES後の展開は未発表
発表されたのはCESでの概念実証と、その技術構成までだ。常設施設としての開設地、料金、運営事業者、開始時期は公表されていない。1回あたりの参加人数や体験時間も不明である。現段階では、ソニーグループが『The Last of Us』を使ってLBEの表現方法を検証した事例である。