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David Byrneの「Theater of the Mind」、16人で巡る没入型公演をデンバーで上演

15,000平方フィートの倉庫を使い、少人数の観客が感覚と記憶を扱う部屋を順に巡った。

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Theater of the Mindを共同制作したMala GaonkarとDavid Byrne
画像:Denver Center for the Performing Arts公式発表より(報道引用)

Denver Center for the Performing Artsは2022年2月2日、David ByrneとMala Gaonkarによる没入型公演「Theater of the Mind」の日程を発表した。8月31日にプレビューを始め、9月13日から12月18日まで上演。デンバーのYork Street Yardsにある約15,000平方フィートの倉庫を使用した。

16人が案内役と複数の部屋を巡る

観客は16人のグループで案内役に従い、約75分かけて複数の空間を移動する。舞台を客席から眺める形式ではない。各部屋では、感覚、知覚、記憶がどのように作られるかを題材にした実験や物語に参加する。

案内役は観客を一つの場所へ座らせたまま説明せず、部屋を移るたびに異なる課題へ導く。16人という単位は、全員が同じ刺激を受けながら、他者の反応も見られる規模である。知覚の違いを個人だけの問題にせず、同じ場にいる人との比較として体験できる。

約75分の中では、視覚や聴覚に加え、身体の感覚や過去の記憶が判断へどう影響するかを扱った。科学館の実験装置を自由に回る展示とは違い、案内役の語りと順番によって、体験した現象の意味が少しずつ明らかになる公演だった。

着想の一つは、Gaonkarが支援した神経科学研究だった。ByrneとGaonkarは研究者と協力し、人が同じ色や形を見ても、経験や脳の働きによって受け取り方が変わることを、身体で試せる演出へ変換した。

2016年の研究企画から発展

ByrneとGaonkarは2016年、Pace Gallery Menlo Parkで「The Institute Presents: Neurosociety」を制作していた。認知神経科学の研究をもとに、参加者が実験へ加わる企画である。「Theater of the Mind」はこの関心を引き継ぎ、研究結果の紹介に物語と舞台演出を加えた。

制作では、研究者への相談を通して、感覚に起きる現象とその説明を組み立てた。演出上の驚きが科学的事実そのものに見えないよう、体験の後に意味を理解できる流れが求められる。公演は論文の再現実験ではないが、研究を観客自身の感覚へ引き寄せる入口になる。

倉庫の広さを移動型の公演へ転換

一度に大人数を入れる展示ではなく、少人数ごとに開始時刻を分ける。観客の移動順、部屋の切り替え、案内役の進行が公演を成立させるため、会場設計と運営が作品から切り離せない。

会場のYork Street Yardsは、かつて軍の医療物資を保管した建物群を再利用した場所である。約15,000平方フィートの倉庫内に複数の部屋を造り、一般的な劇場の舞台と客席を使わずに公演した。観客が移動できる平面の広さが、作品形式を支えている。

16人ごとに75分の体験を開始する場合、一日の販売数は開始間隔と並行稼働する組数に左右される。発表は同時に何組を動かすかを示しておらず、最大収容人数は算出できない。少人数の体験品質と、長期公演としての処理人数を両立させる運営が必要だった。

公式発表ではチケットを55ドルからと案内した。発表時点で各部屋の詳細は伏せられ、同時に何組を運営するかも公表していない。科学的な題材を解説パネルだけで伝えず、観客自身の感覚に起きる変化として提示した公演だった。