← INDEX

施設2025年1月9日

Madame Tussauds Singapore、マリーナベイを舞台にしたVRコースターを開設

Madame Tussauds Singaporeが開設したVRコースターの内容、約10分の所要時間、利用条件、チケットの仕組みを公式情報で確認しました。

REVIEWED
VRヘッドセットを装着した乗客と、マリーナベイの景観を組み合わせた「Thrill Coaster Singapore」の公式ビジュアル
画像:Madame Tussauds Singapore提供/公式発表より(報道引用)

Madame Tussauds Singaporeは2025年1月9日、VRライド「Thrill Coaster Singapore」の開設を発表した。施設内に設置したモーション対応のVRポッドで、乗客はヘッドマウントディスプレイを着用し、マリーナベイ周辺を含むシンガポール中心業務地区の上空を飛ぶ設定のバーチャル・コースターを体験する。現実の大型コースターではなく、映像と座席の動きを組み合わせ、旋回、落下、ループを表現する方式だ。

公式発表では、都市の著名なランドマークを上空から見る視点と高速走行を体験の核に置く。公開された公式ビジュアルにも、VRヘッドセットを着けた乗客、コースターの構造物、マリーナベイ・サンズとシンガポール・フライヤーが描かれている。蝋人形を鑑賞・撮影する展示群とは異なる、短時間で完結する動的な体験を館内に加えた形だ。Madame Tussauds Singaporeのゼネラルマネージャー、Steven Chung氏は発表で、没入型エンターテインメントを提供する取り組みの一環だと説明している。

公式体験ページはこのライドを「世界で最も高いVRローラーコースター」と表現するが、これは同社サイト上の訴求であり、高さの数値や比較方法は同ページに示されていない。記事ではこの表現を性能仕様として扱わず、公開されている体験内容と利用条件を基準にする。発表では、スリルを求める来場者だけでなく技術に関心がある来場者も想定し、複数のテーマ付きアドベンチャーに言及している。一方、個々のテーマの名称や本数、映像の更新計画は公表資料からは確認できない。

体験時間と利用条件を公式ページで明示

現在の公式体験ページによると、ブリーフィングを含む所要時間は約10分。乗車前には各利用者が免責同意書に署名する。身長は3フィート(約0.9m)以上が条件で、プラットフォーム1台当たりの乗客重量の上限は600ポンド(272kg)。座席は1人用で、走行中はシートベルトの着用が必要となる。飲食物の持ち込み、ヘッドセット着用中の座席からの離脱、座席から身を乗り出すことも認めていない。

同ページは、VRによる吐き気や乗り物酔いの可能性を案内する。大きな音、視覚効果、点滅光、多方向に動く座席を伴うため、妊娠中の人、最近手術や病気を経験した人、首・背中・骨の症状がある人、心疾患やてんかんの既往がある人などには推奨しないとしている。こうした制限はコンテンツの対象年齢だけでは判断できず、予約・現地案内の双方で安全情報を伝える必要があることを示す。

見学者が機器や利用者に物理的に触れること、走行中の喫煙・電子たばこの使用も禁止事項に含まれる。子どもは保護者の近くに座らせるよう案内されている。公式ページは、これらを各利用者と成人の保護者が守るべき安全ガイドラインとして提示する。ポッド型のVRライドでは、映像の没入感だけでなく、ヘッドセット装着中の行動をどこまで運営が制御するかが、安全運用の具体的な一部になる。

入館券と追加購入を組み合わせる販売導線

発表時点でVRライドのチケットは12シンガポールドルからと案内された。利用にはMadame Tussauds Singaporeの入館券が必要で、入館券にThrill Coasterの利用が含まれていない場合は、入口または館内のThrill Coasterカウンターで追加購入できる。つまり単独で来場せずに利用する商品ではなく、館内体験の一部として販売する設計である。公式サイトは現在も同ライドを体験コンテンツとして掲載しており、既存の展示と組み合わせて選べる状態にしている。

編集部の見方:販売導線と安全案内を同時に設計する価値

この事例で重要なのは、都市固有の映像を差別化に使いながら、既存の入館券へ追加販売を接続している点だ。約10分という所要時間でも、同意取得、装着、乗降を含めた運用には一定の回転管理が要る。しかも身長・健康上の制限は購入直前ではなく、オンラインの商品画面と現地の待機列で一貫して示さなければ、追加販売の機会損失や現場の摩擦につながる。体験価値と安全案内を同じ導線で設計できるかが、常設VRの収益性を左右する。