Van Gogh: The Immersive Experienceがアトランタ再登場、VRも刷新
3層分の高さを使う二つの投影室と、フランス・アルルを約10分で巡る新しいVR体験を設けた。
Exhibition Hubは2023年5月18日、「Van Gogh: The Immersive Experience」をアトランタ都市圏で再開催すると発表した。2021年に北米初演を行った企画を改め、映像空間と音楽に加えて、VRと資料展示も組み直した新版である。会場はアトランタ北東部のドラビルに開設されたExhibition Hub Art Center。Feverと共同で展開し、同年5月25日にチケット販売を始める予定としていた。開幕日は、この発表では明示されていない。
1万2000平方フィート超の映像空間
中心となるのは、「Wow Rooms」と呼ばれる二つの投影室だ。合計面積は1万2,000平方フィート(約1,115平方メートル)を超え、映像は建物の3層分に相当する高さまで広がる。来場者の視界を囲む大きさでゴッホの作品を動かし、新たに制作した音楽と合わせて見せる構成だった。 この規模は、絵画を原寸で鑑賞する美術館とは別の入り口をつくる。来場者は作品の細部を静かに追うというより、色彩や筆触を引き伸ばした映像の中に身を置く。複数人が同時に滞在できる投影室を主軸に据えた点も、個人用ヘッドセットだけでは成立しない会場型企画の特徴といえる。
VRでアルルを約10分間巡る
新版ではVR体験も作り直された。所要時間は約10分で、フランス南部のアルルをたどりながら、ゴッホが暮らした土地と作品世界を見る内容だ。広い投影室で映像を共有した後、ヘッドセットを装着して一人称の視点へ移る。鑑賞者と画面の距離を、空間ごとに切り替える設計である。
もう一つの追加要素が、日本美術からゴッホが受けた影響を紹介する没入型ギャラリーだ。公式発表は、浮世絵を含む日本美術との関係を新版の独立した見どころとして挙げている。大画面で代表作を見せるだけで終わらず、作品が生まれた背景へ関心を移す区画も設けた。
初演42万5000人からの再構成
Exhibition Hubによると、2021年5月にアトランタで始まった旧版には42万5,000人を超える来場者があった。再開催にあたり、展示内容と会場の双方を更新している。発表時点では新版の待機リストも開設され、正式販売に先立って登録を受け付けていた。
新会場のExhibition Hub Art Centerは、延べ5万平方フィート(約4,645平方メートル)。所在地はドラビルの5660 Buford Highway NEで、アトランタ中心部から車で20分未満と案内された。無料駐車場に加え、カフェとシャンパンバーも備える。同じ時期には「Art of The Brick Immersive Experience」も開かれており、施設内で複数の大型展示を運営する計画だった。
再演に際し、投影映像に新しい音楽、VR、日本美術との関係を紹介するギャラリーを加えた。会場側もカフェやシャンパンバー、無料駐車場を備え、周辺の飲食店や店舗と合わせてドラビルで一日を過ごす提案につなげている。旧版を見た人にも、内容と順路を更新したゴッホ展として再訪する理由を用意した。