Zero Latency「Outbreak」、発売3カ月足らずでチケット売上1000万ドル
Zero LatencyのフリーロームVR作品「Outbreak」が発売3カ月足らずでチケット売上1000万ドル、体験者10万人を記録した。
Zero Latencyは2024年2月7日、フリーロームVR作品「Outbreak」のチケット売上が、発売から3カ月足らずで1000万ドルに達したと発表した。体験者は10万人を超え、同社にとって過去最大のゲームローンチになったという。売上額は各会場のチケット販売を集計したもので、ソフト単体の販売額ではない。
発表によると、この期間にプレイヤーが倒したゾンビは3600万体以上。2023年第4四半期は、Zero Latencyにとってチケット売上が過去最大の四半期になった。会社が示した数字であり、第三者による監査結果ではないが、作品公開後の初動を知る手掛かりにはなる。
8人でゾンビがあふれる市街地へ
「Outbreak」は、最大8人が同じ空間を歩きながらゾンビと戦う作品だ。参加者はヘッドセットと銃型デバイスを装着し、崩壊した市街地を進む。決められた位置に立って映像を見るのではなく、仲間との距離や敵の方向を確かめながら実際に移動する。そのため、会場の広さと位置計測を物語上の移動に結び付けた、フリーロームVRらしい構成になっている。
物語では、盗まれた治療薬を奪還するため、プレイヤーが精鋭部隊としてゾンビの群れに立ち向かう。制限時間の中で戦い、最後はボス戦へ進む。
前後左右から敵が迫るため、8人が同じ方向だけを見ていては対応しにくい。声を掛け合いながら射線と立ち位置を分ける協力プレイが、グループで予約する動機になる。
Zero Latencyのシステムは、PCを背負わず、ケーブルにもつながれない構成を採用していた。身体を向け直したり広いアリーナを移動したりするときに、背中の機材や配線を意識せずに済む。プレイ後には、参加者ごとに「Outbreak」の体験映像も提供された。会場で終わる体験に、後から見返したり同行者と共有したりする接点を加えている。
発表時点の平均評価は5点満点中4.85。Zero Latencyはプレイヤー数と評価を好調の根拠として示した。一方、国別の売上や再来場率、1会場当たりの稼働率は公表していない。1000万ドルという数字だけでは、個々の店舗の採算までは分からない。
単純計算では、1000万ドルを10万人で割ると1人当たり100ドルになる。ただし、発表は売上の集計方法、通貨換算、対象期間の正確な開始日を詳しく説明していない。「10万人超」と「1000万ドル」の丸められた数字から平均チケット単価を推定するのは適切ではない。複数人予約や地域ごとの料金差もあるため、ここでは公表値を別々の指標として扱う。
新作が各地の会場を動かす
当時のZero Latencyは、27カ国以上、90会場以上でネットワークを展開していた。累計プレイ数は350万回を超え、北米には32会場があったという。同じ作品を各地のライセンス会場へ配信できるため、新作の投入は一つの直営店だけでなく、ネットワーク全体の予約を動かす機会になる。
フリーロームVRでは、スタッフが操作方法を説明し、ヘッドセットを装着させてからプレイを始める。終了後は機器を回収し、次の組に備えて清掃する。これらを一つの予約枠で回さなければならない。「Outbreak」の10万人という実績は、コンテンツが各地の会場運営を通して有料体験として提供された規模を示す数字でもある。
公開時点では90以上の全拠点で「Outbreak」を遊べると案内された。新作をネットワークへ一斉に展開できれば、各店舗は大規模な内装変更をせずに予約理由を更新できる。運営会社にとっては、既存客へ再訪を促す材料になり、初めて訪れる客には新しい作品名を訴求できる。
10万人は公開直後の初動実績
ゾンビはVRで繰り返し使われてきた題材だが、初見でも目的を理解しやすい。「Outbreak」は、治療薬の奪還、迫る敵との戦闘、最後のボス戦という流れを用意し、最大8人の協力プレイへ結び付けた。発売直後の10万人という数字は、その分かりやすさが多拠点の有料体験として受け入れられた規模を表している。
同時に、今回の発表だけで長期的な成功までは判断できない。売上と体験者数は初動の指標であり、リピート率や店舗別の利益は示されていない。90以上の拠点に同じ作品を配信できるネットワークが、公開後も予約を維持できたかを見るには、より長い期間の数字が必要になる。本記事では、Zero Latencyが2024年2月7日に公表した実績の範囲を整理した。