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ビジネス2025年6月11日

AWE 2025のLBE賞、Google MapsのパリARが受賞 1900年万博を現地とStreet Viewで再現

AWEの2025年Auggie Awardsで、Google Maps内でパリの歴史的景観をAR表示する体験がLBE部門を受賞しました。

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エッフェル塔の前でスマートフォンを掲げ、Google MapsのAR体験を利用する女性
Google公式発表より(報道引用)

AWE(Augmented World Expo)は2025年6月11日、AWE USA 2025で第16回Auggie Awardsの受賞作を発表した。Best Location-Based Entertainment(LBE)部門を受賞したのは、Rock Paper RealityとGoogleによる「AR in Google Maps for Paris Olympics」である。AWEは同年、過去最多の推薦数と投票数を記録したとしており、Auggie Awardsは19部門で受賞作を公表した。

この名称が指すのは、パリ2024に合わせてGoogle Mapsに加えられた歴史・文化のAR体験だ。Googleは2024年7月、対象地点をGoogle Mapsで検索し、「AR Experience」アイコンを選ぶと、現地では「Lens in Maps」を通じて端末画面上に表示できる仕組みを案内している。現地にいない利用者もStreet Viewから体験を閲覧できる。専用施設の入場券やヘッドセットを前提とするのではなく、地図アプリと都市のランドマークを接点にした設計である。

1900年の万博景観を、現在のパリに重ねる

体験の一つは、実現しなかった1900年当時のエッフェル塔改修案をARで見せるものだ。もう一つは、同年のパリ万国博覧会でセーヌ川沿いに建設され、会期後に撤去された各国パビリオンを3Dで再現する。Google Arts & Cultureは、これらのモデルを資料画像に基づいて制作したと説明している。利用者は現地でARの重なりを見られるほか、Street View上でもたどれるため、来訪前後や遠隔地からの利用にも経路を広げている。

Googleの公式発表では、周辺の歴史的景観を扱う別のAR企画も紹介された。1789年当時のノートルダム大聖堂周辺、革命前のバスティーユ・サン=タントワーヌ、解体前のチュイルリー宮殿を扱う計画で、Google Arts & CultureおよびUbisoftとの協業によって展開するとした。一方、AWEの受賞発表は受賞名とRock Paper Reality、Googleの連名を示すにとどまり、個々の地点別の利用数、滞在時間、収益、運営コストは公表していない。

7候補の中で選ばれた、施設外のLBE

LBE部門の最終候補は7件だった。Excurioの「The Last Stronghold」、Draw & Codeの「FanPort」、IllumixによるSix Flags CarowindsのCamp Snoopy向けAR、マイアミ大学の「The Golden Age of the Jews of Al-Andalus」、東京ドームとSTYLYの「THE MOON CRUISE」、Viettel High Technology Industriesの「Xense AR」、そして受賞作が並んだ。会場内の没入型作品、テーマパーク向けAR、文化・観光体験が同じ部門で競った構成である。

受賞の公表は審査・投票による結果であり、事業成績の数値ではない。AWEは受賞名と制作主体を示しているが、地点別の利用数、滞在時間、収益、運営コストは公表していない。Googleは2024年7月の発表で、Maps内に今後もコンテンツを追加していく方針を示した。受賞時点で案内された体験の内容と、その後の提供状況は分けて確認する必要がある。

編集部の見方:受賞は事業実績の代替ではない

この受賞が示す価値は、既存の都市回遊と地図の利用文脈に、文化コンテンツを重ねられる点にある。施設運営者が参考にするなら、派手なAR表現より先に「その地点へ行く理由」と現地での安全・回遊設計を評価したい。運営指標も入場者数だけでは足りない。AR起動率、周遊後に文化施設や商業施設へ接続した比率、更新・権利処理の負担を、公開期間ごとに追うことが採算性の判断につながる。現地利用とStreet View閲覧は導線が異なるため、測定も分けるべきだ。