← INDEX

テクノロジー公開:

Europa-Parkが「オペラ座の怪人」VRコースター、装着したまま乗車する方式を導入

Europa-Parkが既存コースターに「オペラ座の怪人」VRを導入。ヘッドセットを着けたまま歩き、車両へ乗り込む仕組みと運用条件を追いました。

REVIEWED
Europa-Parkの「Eurosat Coastiality」入口前に立つMack家の関係者5人
Europa-Park / MACK Group 公式発表より(報道引用)

Europa-Parkは2024年4月16日、「Eurosat Coastiality」に新しいVR体験を導入した。題材は、アンドリュー・ロイド・ウェバーのミュージカル『オペラ座の怪人』。ドイツ・ルストの園内にあるフランスエリアで提供する。既存コースターの走行に、19世紀パリの架空の劇場「Opéra Populaire」を巡る映像を重ねた有料ライドだ。

開発はMACK OneとVR Coasterが共同で担当した。MACK Groupは3月の事前発表で、愛や陰謀、仮面の人物を巡る物語がコースターの走行に合わせて進むと説明している。体験は映像が始まる前の待機室から始まり、乗車と走行へ途切れずにつながる。

待機室で始まり、視界を切らずに車両へ移る

利用者は実際の乗車前にプレショー室でVRヘッドセットを装着し、その場を歩いて体験を始める。MACK Solutionsがつくった物理空間はVR内にも再現され、さらに仮想空間として拡張される。VR Coasterの特許技術「Roam and Ride」により、利用者はヘッドセットを外さずに車両へ移動できる。現実の床や導線とVR内の空間を合わせることで、装着後に視界を切り替える通常の乗車手順とは異なる連続性を狙った。

プレショー室は、乗車までの導線を兼ねる。園の公式案内によると、Eurosat Coastialityには移動式レールを備えた専用駅と専用車両がある。同じ軌道を通常版とVR版で使い分ける仕組みだ。VR版は1編成14人で、走行時間は7分。高さ45m、最高速度60km/h、最大加速度4Gの屋内コースターを使う。

有料体験として示された条件と運用上の注意

チケットはアトラクション入口で購入する1回7ユーロの追加料金制で、対象年齢は12歳以上。身長は130〜195cmとされ、妊娠中の利用は不可である。強い太もも周り・胴回りの場合は利用できない可能性があるため、園はテストシートの利用を案内している。これはVR機器の条件とは別に、コースターの拘束装置と安全条件が適用されるためだ。

公式案内には、機器の調整や再校正によって一時休止したり、処理人数が制限されたりする場合があると記されている。ヘッドセットとヘッドホンは本作に合わせて更新された。園はVR走行、プレショー、自由歩行を一つの体験として案内している。

IPと既存設備を接続する開発体制

Europa-Parkが施設を運営し、MACK Oneがコンテンツ開発を担当した。VR技術はVR Coaster、物理的なプレショー空間はMACK Solutionsが手がけている。園は走行中に『オペラ座の怪人』の「Opéra Populaire」を体験できると案内している。

提供開始時点で発表されたのは、この1コンテンツと入場条件、専用の乗降体験である。今後の映像更新や料金改定、稼働台数については発表資料に具体的な予定はない。現在の利用条件と料金はEuropa-Parkの公式案内に掲載される。

通常版と同じ軌道を使い分ける

Eurosat Coastialityは、既存コースターの軌道を使いながら、VR版には専用駅と専用車両を用意している。来場者は入口で7ユーロを追加し、通常版とは別の乗車導線へ進む。ヘッドセットを着けたままプレショー室から車両へ移る方式は、VR映像の内容と乗降手順を一続きにした点が特徴だ。再校正などで処理人数が限られる場合があることも、公式ページで事前に案内している。