UbisoftとZero LatencyがFar Cry VRを発表、施設限定のフリーローム作品
Far Cry 3の世界を複数人で歩く、店舗向けのVR作品として共同開発。各地のZero Latency店舗で提供するとした。
Ubisoftは2020年9月10日、Zero Latency VRと共同開発する「Far Cry VR: Dive Into Insanity」を発表した。Zero Latencyの施設でのみ提供するロケーションベースVR作品として2021年の稼働を予定し、家庭用ソフトとは別に開発した。
発表はUbisoft Forwardに合わせて行われ、22の国・地域にある45以上のZero Latency施設へ導入する計画を示した。Ubisoftは自社専用店舗を新設せず、既存の施設網、機器、スタッフを使って同じ作品を多地域へ配信する。
Far Cry 3の島を複数人で歩く
作品の舞台には「Far Cry 3」のRook Islandsと、同作の登場人物Vaasが採用された。プレイヤーは仲間と島を探索し、敵と戦いながら脱出を試みる。広いプレイ区画を実際に歩くフリーローム方式で、銃型デバイスを使う。
Zero Latencyは背中にPCを装着し、ケーブルにつながれずに複数人が同じ空間を移動するシステムを各国の店舗へ展開していた。既存の設備と運営手順を共通にし、その上で著名ゲームIPの新作を配信する形となる。
2021年6月に実際の提供が始まった際は、33拠点で同時に展開された。最大8人、所要時間は約30分。ワイヤレスのVR機器と銃型デバイスを使い、Rook Islandsの海岸とジャングルを移動しながら、Vaasの一味から逃れる内容にまとまった。これは発表後に確定した仕様であり、2020年9月時点の計画値とは分けて扱う必要がある。
家庭用と異なる条件でIPを設計
施設向け作品では、初めて会う利用者への説明、グループの人数、一回の所要時間、実空間での安全な距離をゲーム設計へ反映する必要がある。家庭用の「Far Cry 3」は一人で長時間進めるが、施設版は仲間との協力、移動、戦闘、脱出を約30分に収めた。
ゲーム内の広い島と同じ寸法のプレイ区画は用意できない。曲がり角やエレベーターなどの演出を使い、実空間を繰り返し歩いても異なる場所へ進んだように見せる。仲間のアバターを表示し、衝突を避けながら同じ敵を攻撃できる位置合わせも必要になる。
発表時点では、個別の導入店舗、最大参加人数、正確な稼働日は公表されていなかった。両社は施設網を使い、同じ作品を複数地域へ供給する方針を示した。Zero Latencyの標準設備に合わせて開発したことで、各都市で個別の舞台装置を制作せず、ソフトウェア更新を中心に展開できる。
「Far Cry」の知名度は来店の入口になる一方、原作を遊んでいない人にも説明時間内で目的を伝える必要がある。Vaasから逃れるという単純な状況を軸にしたことが、施設向けの短い協力体験を支えている。
原作の物語全体を再現する企画ではない。島、Vaas、武装した敵という識別しやすい要素を選び、初見の参加者にも「仲間と逃げる」という目的をすぐ伝える構成だった。