Ars Electronicaとトヨタ、来場者データで変わる常設展示「Hello Worlds!」を公開
Ars Electronica Futurelabとトヨタ自動車が、来場者の選択や行動に応じて展示解説を変えるインタラクティブ展示をオーストリアで公開した。
Ars Electronica Futurelabとトヨタ自動車のAdvanced R&D and Engineering Companyは2026年9月7日、インタラクティブ展示「Hello Worlds!」を発表した。オーストリア・リンツのArs Electronica Centerで9月8日夜に開幕し、9日から一般公開する。Ars Electronica Festival終了後もMain Galleryで常設展示を続ける。
展示は、両者による研究活動「Future Humanity Project」の公開成果に当たる。作品や実験的な試作機を並べるだけでなく、来場者が任意で参加できるシステムを会場全体へ組み込み、行動に応じて解説文や問いかけを変える。
一時的な記録を使って展示解説を変える
参加を選んだ来場者は、入口の「Deep Mirror」で言語、解説の詳しさ、表示スタイルを選ぶ。会場では各展示の滞在時間や移動経路、音声を使う作品で話した内容が一時的な「Visitor Record」に加わり、その情報が後の展示解説へ反映される。
主催者は、このシステムが来場者を識別したり、感情を判定したり、行動を予測したりするものではないと説明している。顔画像はローカルで処理し、保存しない。参加者は記録内容を確認し、いつでも削除できる。参加しない場合も全展示を利用できる。
施設型のインタラクティブ展示では、個人化と参加者の選択権を同じ導線に組み込む必要がある。Hello Worlds!は、入口で参加可否を決め、鑑賞後に記録を見直して削除できるところまでを一つの体験として設計している。
自分、他者、共同体を三つの空間でたどる
会場は「Hello Me! The Amplified Self」「Hello You! The Interbeing Lab」「Hello Us! Shared Resonance」の三つで構成する。最初の空間では身体性を持つAIや、人の感覚・移動を拡張する試作機を扱う。来場者が20秒間録音した自分の声を、骨伝導スピーカーで聞く作品もある。
最後の空間に置く「Resonance Loom」は、物理的な織機と大型映像を組み合わせる。来場者の参加によって模様や関係が変わり、会期を通じて蓄積する展示だ。
Festival期間中の9月9〜13日には、Futurelabの担当者が案内するツアーをドイツ語と英語で各日開催する。通常の入場券に加えて3ユーロの追加料金と事前登録が必要となる。展示の常設期間や、Festival終了後のツアー運用は今回の発表に記載されていない。