INCUBASE、アニメIP体験を複数都市で巡回する運営モデル
複数のアニメIP体験をアジア各都市で同時展開するINCUBASE。展示を再利用しながら、開催地ごとの要素を加える巡回モデルです。
香港のINCUBASE Studioは2026年8月20日、アニメなどのIP体験を複数の都市で継続的に巡回させる展開状況を発表した。企画、現地向けの調整、制作、マーケティング、ライセンサーや地域パートナーとの連携を一体で担い、複数IPを異なる市場で同時に運営するモデルを打ち出している。
固定展示を運ぶだけでなく、開催地に合わせて変える
同社が企画した「ONE PIECE『大海賊時代』展」アジアツアーは済州島で10都市目を迎え、島の環境に合わせた水をテーマとする要素を追加したという。「Dragon Ball: Heroes Rise」アジアツアーはバンコク、台北に続く3都市目として8月22日にソウルへ展開する。
「薬屋のひとりごと」展はソウルと高雄で同時開催した後、9月30日から11月1日までシンガポールで開催する計画で、同社にとって同国初の展示になる。このほか「クレヨンしんちゃん」と「エヴァンゲリオン」の展示も複数都市で展開している。発表には各会場の面積、制作費、来場者数、輸送期間、ライセンス条件は記載されていない。
編集部の見方:再利用する層と作り替える層を分ける
巡回型展示では、什器、映像システム、運営手順を共通化するほど移設効率を高められる。一方、会場形状、言語、物販、来場者のIP理解度は都市ごとに異なる。INCUBASEの事例は、体験の核を保ちながら背景や商品などの接点を現地化し、同じ展示の寿命を延ばす考え方を示す。
複数IPの同時運営は、制作・物流・地域パートナーのネットワークを共有できる反面、監修、部材の所在、人員配置、会期変更を横断して管理する必要がある。今後は、共通部材と現地制作物の比率、都市間の移設日数、再訪率、地域要素がチケットや物販に与える効果が確認点になる。これらが開示されれば、巡回数の多さだけでなく運営モデルの再現性を判断しやすい。