Versailles宮殿、米独立革命を歩いてたどるXR「Light of Liberty」を開始
Versailles宮殿が米独立250周年に合わせ、実空間と重ねた15分のパススルーXR体験を提供する。
ヴェルサイユ宮殿(Château de Versailles)とYalla.Digitalは2026年6月23日、XR体験「Light of Liberty」を始めた。米国独立宣言250周年に合わせた企画で、2027年1月31日まで提供する。会場は宮殿内のオルレアン館(Pavillon d'Orléans)。フランスと米国が独立戦争で結んだ同盟を主題に、外交から海戦、ヨークタウンでの勝利までをたどる。
体験時間は約15分で、1回あたり30〜40人を受け入れる。対象年齢は8歳以上、言語はフランス語と英語。公式案内では単独のVRチケットを7ユーロで販売し、Passportとの組み合わせも用意する。オルレアン館へは火曜から日曜の9時〜18時に入場でき、噴水ショー開催日は20時まで延長する日もある。月曜は休業だ。チケット単価だけでなく、短時間の回転型プログラムとして運営条件を明示している点が特徴である。
絵画を入口に、同盟成立までをたどる
導入部で使うのは、戦闘画廊にあるルイ=シャルル=オーギュスト・クーデールの《ヨークタウン包囲戦、1781年10月17日》(1836年)を再現した画面だ。そこからラファイエットが案内役として現れ、ベンジャミン・フランクリンの外交、ルイ16世による同盟、ヨークタウンでの勝利へと話をつなぐ。制作者のジョシュア・D・モーラーは脚本・プロデュース・歴史監修を担い、ヴェルサイユ側と共同で歴史調査に基づく内容を構成したとしている。
複数の場面には、見るだけで終わらない操作が組み込まれる。ヨークタウンでは発光するオーブをきっかけに4本の短い物語を選び、3D戦術地図で包囲戦を追う。フランス軍が熱した砲弾を使った経緯も紹介する。フランクリンへ質問できる場面があり、マダム・ド・ブリヨンのサロンでは仮想の指揮棒を振って「La Marche des Insurgents」の演奏に関わる。ラファイエットがワシントンに贈った火打石式ピストルの3D複製も手に取れる。別の場面ではフランスのフリゲートを組み立て、チェサピーク湾を目指す船の見張り台に立つ。
現実の宮殿を残したまま演出を重ねる
Yalla.Digitalの方式はパススルーXRである。ヘッドセットを着けた後も、実在の部屋と同行者が視界に残る。そこへ3Dの人物や戦場、海上の演出を重ねる。公式説明によると、オルレアン館の複数の部屋を歩きながら、両国の外交と軍事協力をたどる。文化交流を扱う場面もある。制作はFirststep ProductionsとYalla.Digital、技術開発はYalla.Digitalが担い、ヴェルサイユ宮殿と協働した。
今回のXRは単独企画ではない。7月4日には近隣の近衛隊長官のアパルトマンに、宮殿コレクションの絵画、彫刻、肖像を集めた新たな展示動線が開く予定とされた。米国独立250周年のプログラムは、この展示、歴史再現イベント、XRを組み合わせる。デジタル体験が扱う人物や戦役を、現物の収蔵品と同じ敷地内で参照できるようにした点に、文化財施設としての設計がある。
XRの後に実物の収蔵品を見られる
Light of Libertyは約15分で、1回に30〜40人が参加する。単独チケットに加え、宮殿内のほかの場所を巡るPassportとの組み合わせも販売する。7月4日からは近衛隊長官のアパルトマンで関連する絵画や彫刻、肖像を展示する予定とされた。
XRで登場した人物や戦役を、同じ敷地にある実物の収蔵品で確かめられる構成だ。ただし、XRから展示室へどのように案内するか、両方を巡る標準的な所要時間は公表されていない。実際の来場者数やチケットの販売内訳も、開始時点の資料では分からない。