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Moco MuseumでReflecting Forward、鏡とデジタル光が連なる常設展示

Studio Irmaの作品をアムステルダムで公開。鏡、光、音を使い、鑑賞者が内部を歩くデジタルアート空間を設けた。

REVIEWED
Reflecting Forwardの鏡と光を使った展示室
画像:Moco Museum公式発表より(報道引用)

アムステルダムのMoco Museumは2020年2月11日、Studio Irmaによる「Reflecting Forward」を公開した。鏡、デジタル映像、音を組み合わせ、作品の外側から眺めるのではなく、来場者が内部を歩く展示である。

展示は2月10日に同館のMuseumplein会場で始まった。Studio Irmaを率いるIrma de Vriesにとって当時最大規模の展示で、Moco Museumが2020年に展開する女性作家の企画群の第1弾でもあった。

複数の部屋を一つの流れにする

展示は色と光の異なる複数の空間で構成された。鏡によって映像が奥へ続くように見える部屋、光点が来場者の周囲を満たす部屋などを順に巡る。部屋を移るたびに視覚の条件が切り替わる構成だった。

公式発表では、作品名として「Diamond infinity room」「Kaleidoscope」「We all live in bubbles」「Connecting dots」「Universe」を挙げている。明るい色、ダンス、音楽を共通の要素にしながら、鏡面や映像の使い方が異なる空間を連続させた。

Studio Irmaは、個々の光を人や情報のつながりに見立てた。来場者の姿も鏡に繰り返し映り込み、展示を見る人物が画面の一部になる。

Irma de Vriesは展示の考え方を「Connectivism」と呼び、ウェブブラウザ、検索エンジン、ソーシャルメディアが生活と人のつながりを変えたことを題材にした。説明文に依存せず、色、反射、動きで関係性を表現するため、来場者の使用言語を問わない展示として紹介された。

展示のために新しいピンク色も開発したという。公式発表では、色を食物の成熟や幸福感と結び付ける人間の知覚を制作背景として説明し、明るい色彩を空間全体へ広げている。

美術館に撮影と共有の動線を加える

Moco Museumは歴史的な建物を使う美術館で、バンクシーなどの作品を扱ってきた。そこへ大型デジタル展示を常設し、絵画を見る時間と、空間内で動き撮影する時間を一つの来館体験に含めた。

Irma de VriesはAmsterdam Light Festivalで作品を発表し、ビデオマッピングでも受賞歴がある作家として紹介された。ファッションへの関心をデジタルパターンにも取り入れている。Reflecting Forwardでは約20年の制作経験を、複数室にまたがる体験へまとめた。

作品名が示す五つの場面

「Diamond infinity room」は鏡による反復を使い、「Kaleidoscope」は万華鏡のように色と形を重ねる。「We all live in bubbles」「Connecting dots」「Universe」という名称も、人や情報が互いにつながるという展示全体の主題に沿っている。来場者は一つの大画面の前に留まらず、場面ごとに分かれた部屋を順に移動する。

Moco Museumの創設者でキュレーターのKim Logchiesは、過去を振り返る一般的な「reflection」に対し、この展示では無数のつながりから未来と自分の役割を見せると説明した。作品名の「Reflecting Forward」も、その考え方を表している。

開催地はアムステルダムのMuseumpleinにあるMoco Museum。Irma de Vriesの作品を最初に同館で公開し、その後の国際展開も視野に入れた企画として発表された。開始時点で終了日は示されず、同館のデジタルアート展示として組み込まれた。

鏡に映る来場者、隣の部屋から届く光、音楽を合わせることで、作品と鑑賞者の境界を固定しない。写真や動画を撮る行為も、反射の中へ人の姿を加えるため、展示の見え方を変える要素になる。

Reflecting Forwardは、デジタル作品を既存美術館の展示構成へ組み込み、鑑賞者の移動と映り込みまで作品の一部にした事例である。