エッフェル塔で協力型VR「Tour Eiffel Effect」が始動
エッフェル塔1階で始まった協力型VR「Tour Eiffel Effect」の内容、料金、導線、販売終了までを公式情報で追う。
パリのエッフェル塔を運営するSETEは2024年7月9日、VR体験「Tour Eiffel Effect」を発表した。SETEの正式名称はSociété d’Exploitation de la Tour Eiffel。Lagardère & Arteum(LxA)、Miraとの共同事業である。
一般向けの無料プレビューは翌10日、正式オープンは同月中と案内された。会場は塔の1階にあるパビヨン・フェリエ。塔の入場者向けの追加体験として販売された。エッフェル塔公式サイトによると、2025年12月8日以降は販売していない。
塔の歴史を守る任務を、VRでたどる
物語の発端は、エッフェル塔の歴史を変えてしまう「時間の異常」だ。参加者はVRヘッドセットを着け、各階に散った塔の断片を見つけて異常を修復し、過去の流れを取り戻す任務に挑む。開始時の公式発表では、2〜4人のチームで進める形式とされ、参加者は塔の「守り手」になる。後に掲載された公式案内では、単独またはチームのいずれでもプレーできるとしており、運営期間中に案内上の参加形態が広がったことが分かる。
演出にはツェッペリンへの乗船や、塔の周囲を飛行する場面が含まれる。夜にはライトアップされたエッフェル塔を上空から眺める。展望をVRで再現するだけの内容ではない。史実を守るという目的を置き、塔の各階をゲームの舞台に組み込んだ。
制作はMiraが担当した。SETEのジャン=フランソワ・マルタン会長は、革新とパリの遺産を象徴する塔で来場者体験を豊かにする取り組みだと説明している。LxA側は既存の協業を発展させた企画であることに触れ、MiraのGaspard Giroud氏は制作チームの仕事についてコメントした。
12分の本編を、見学チケットの追加購入で提供
本編の所要時間は12分。機材の装着と説明を含む現地滞在の目安は20分だった。営業時間は毎日11時から20時で、体験室への最終入場は19時30分。フランス語、英語、スペイン語に対応した。
公式案内では、次に該当する人へ利用を勧めていなかった。
- 妊娠中の人
- 心臓疾患のある人
- てんかん発作や片頭痛のある人
- 平衡感覚または視覚に関する症状のある人
年齢条件は掲載時期によって異なる。2024年7月の発表では11歳からを推奨し、8歳未満は利用できないとした一方、後の公式案内では最低年齢を12歳と記載した。料金の区分も後の案内では、大人(25歳以上)15ユーロ、若年層(12〜24歳)12ユーロ、障害のある人9ユーロとなっている。いずれもエッフェル塔の見学チケットに上乗せされる料金で、体験単独では参加できなかった。
販売導線も公式案内で確認できる。開始時は1階の公式ショップでの現地購入のみだった。その後は、すでに塔の入場券を持つ来場者が塔内の土産物店またはパビヨン・フェリエの受付で購入でき、これから塔の訪問を予約する人はオンライン購入の手順で追加オプションとして選択できた。利用時は、購入時に示された時刻に1階へ向かう運用だった。こうした営業時間、所要時間、年齢・健康上の制約は過去の公式掲載内容であり、販売終了後の現在は利用できない。
塔の見学に組み込んだ追加体験
「Tour Eiffel Effect」は単独のVR施設ではなく、エッフェル塔の見学中に参加する商品だった。利用には塔の入場券が必要で、予約時のオンライン販売と塔内での販売を併用。指定時刻に1階へ集合し、約20分で体験を終える運用だった。
公式情報から確認できるのは、販売方法、所要時間、利用条件と、すでに販売を終えたという事実までである。終了の理由や利用者数、採算は公表されていない。