Cosm、科学館向けドーム技術を拡張 遠隔交流と天文データに対応
CosmがIPS福岡大会とEcsite 2026で、複数ドームを結ぶ交流機能やDESI天文データ、8本の全天周作品を発表した。
没入型ドームを手がけるCosmは2026年8月26日、科学館やプラネタリウム向けの新機能を公表した。6月には、国際プラネタリウム協会の大会「IPS 2026」が福岡で開催された。同月、科学館ネットワークの年次会議「Ecsite 2026」がスウェーデン・ヨーテボリで開かれた。今回の発表は、両会議で披露した内容をまとめたものだ。
発表の中心は、離れたドーム同士をライブ映像で結ぶ機能、最新の天文観測データ、全天周作品の追加である。Cosmは、既存設備の用途を天文学の上映から、講演や遠隔交流、芸術・娯楽分野へ広げる方針を示した。
IPS福岡で遠隔交流、天文データ、8作品を発表
福岡で披露した「Domecasting」は、複数のドームと登壇者をライブ映像で接続する機能だ。従来の一方向の中継に加え、各会場の参加者が映像を介して交流できる。Cosmは、講演や科学イベント、ライブ配信を複数施設で共有する用途を想定している。
上映ソフト「Digistar」には、暗黒エネルギー分光観測装置「DESI」が集めたデータも統合した。DESIは多数の銀河やクエーサーを観測し、宇宙の三次元地図を作るプロジェクトである。Cosmによると、今回の統合でDigistarから表示できる観測宇宙の地図は従来の2倍以上に広がった。
コンテンツ面では、Reef Distributionsが提供する全天周作品8本を「Premium Media Program」に追加した。科学や自然、物語を扱う完成済み作品を導入できるため、施設側がすべてを自前で制作しなくても上映内容を更新できるとCosmは説明している。
Cosm発表ではプラハの上映が2,000回連続で完売
Ecsite 2026では、Cosmの最高執行責任者Kirk Johnsonが、没入型技術と科学施設の収益をテーマにしたセッションを進行した。登壇したのはプラハ・プラネタリウム、ドイツのMediendom Kiel、Stiftung Planetarium Berlinの関係者で、いずれもDigistarを導入している。
Cosmの発表によると、プラハ・プラネタリウムはLEDドーム「CX System」とDigistarの導入後、2,000回連続で満席になった。天文学の教育番組に加え、創作性の高いエンターテインメント作品も組み合わせ、新しい来場者を呼び込んだという。
ただし、この数字はCosmが自社ニュースで示した実績であり、販売席数、対象期間、導入前との比較は公表していない。設備投資の効果を判断するには、稼働率や客単価、番組ごとの集客も合わせて見る必要がある。