STYLYが渋谷で「体験を買う」カフェを開設
上田慎一郎監督のXRミステリーを第1弾に、3人同期型で始まった渋谷の没入体験カフェを追う。
STYLYは2024年9月18日、「STYLY ULTRA EXPERIENCE CAFÉ」を開設すると発表した。場所は、渋谷サクラステージSHIBUYAサイド4階のクリエイティブハブ「404 Not Found」。カフェで飲み物を選ぶように、複数の没入体験から作品を選んで購入できる場所を目指す。第1弾には、上田慎一郎監督のXRミステリー『3人のサイコメトラー 誘拐事件を解決せよ』を投入した。9月21日から23日までの3日間は、先行体験イベントとして営業した。
カフェを入口にしたXRコンテンツの提供
404 Not Foundは2024年7月、インディークリエイターの活動拠点として同フロアに開設された。ゲームやアート、音楽に加え、フードを扱う人も参加する。STYLYの発表によると、フロアの広さは約150平方メートル。幅10メートルのLEDスクリーンを備えたイベントスペースがあり、物販・カフェエリアも設けている。キッチン/レストランと配信スタジオも同じ施設に入る。今回のカフェは、STYLYと404 Not Foundの協業第1弾として、この一角にXR作品の鑑賞・参加導線を組み込む試みだった。
発表では、10月以降に同作を常設し、404 Not Foundのクリエイターメンバーによる没入型コンテンツも順次扱う計画を示した。ここでの「カフェ」は飲食を併設するだけの会場名ではなく、作品を一回の来場体験として販売し、異なる制作者の作品へ入れ替えられる受け皿として設計されている。恒常的な拠点と作品更新を結びつける構想が、発表内容の要点である。
3人の参加者が同時に事件を追う
第1弾作品は、物に触れると残された記憶を読める「サイコメトラー」3人が、誘拐事件の手掛かりを集めて真犯人を突き止めるという設定だ。上田監督が物語と体験設計を担い、STYLYのエンジニアとクリエイティブディレクターが撮影映像をXR体験へ変換した。映像を見るだけで完結させず、謎解きとXRを組み合わせ、参加者が登場人物の一人として事件を追う構成にしたという。
運用面の仕様も具体的だった。各テーブルにはヘッドマウントディスプレイ(HMD)を3台置き、3人が同期したコンテンツを同時に体験する。先行イベントの料金は1人1,500円(税込)、3人グループは4,200円(税込)。単独で申し込んだ来場者は他の参加者と同席する場合がある。開催時間は11時から20時、最終入場は19時で、11時から19時まで1時間刻みの入場枠を設けた。対象年齢は13歳以上を基本とし、13歳未満は保護者の判断と成人の付き添いを条件に参加可能としていた。
同じテーブルの3人が同時に参加する。公式案内は、真犯人などのネタバレをSNSへ投稿しないよう求めていた。技術的な問題で完走できなかった場合は、イベント終了後24時間以内に返金する。購入時のサービス手数料は返金対象外となる場合がある。
3人一組の予約をどう回すか
STYLYは、XR作品を街なかの常設拠点で選べる商品として販売しようとした。3人同期型のため、予約枠ごとに参加人数を揃える必要がある。単独客を受け入れる場合は相席になる可能性を事前に説明し、体験開始時刻を合わせなければならない。HMDの装着、説明、清掃までを1時間の入場枠でどのように回すかも運営上の確認点となる。
404 Not Foundには飲食や物販、ほかのイベントもある。XR作品を入れ替えながら営業を続けるなら、体験の販売数だけでなく、更新頻度と再来店率も見たい。先行イベント以降の開催状況や販売実績は、今回参照した発表だけでは確認できない。