Alton TowersがNemesis Rebornを再開業
Alton Towersが2024年3月に再開業したNemesis Rebornの改修内容、演出、運用規模を公式発表で検証。
英国スタッフォードシャーのAlton Towers Resortは2024年3月16日、「Nemesis Reborn」を開業した。1994年開業の反転式ローラーコースター「Nemesis」を大規模に改修したものだ。Alton Towersは、オリジナルを欧州初の反転式コースターだと説明している。
開業直前の3月14日に公開された映像とリリースによると、改修対象は軌道と車両、エリアの物語演出に及ぶ。長く運行された主力コースターを一度休止し、運行設備と世界観の両方を更新した。
18カ月の改修で軌道と車両を更新
公式発表によると、改修は約18カ月に及び、250トン、全長716メートルの軌道をすべて交換した。軌道は53ピース、支持柱は89本で構成され、各ピースは米オハイオ州で製造された。2編成のライド車両も新調され、無積載時の重量は各10トン。施工には500人超の建設作業者と、世界各地から750人超の技能者が参加したという。
開業前には1万回の試運転を予定した。ライドの稼働、電源、音響効果のため、約10マイルのケーブルも敷設している。現地チームには、1994年の建設にも参加したPete Bartlett氏や、100メートルを超える触手を制作したGemma Byrne氏が加わった。
コースターの性能を物語の入口から接続する
Nemesis Rebornのコースには赤い筋状の意匠を施し、ライド名の由来となるクリーチャーも新造形に改めた。公式設定では、秘密組織「The Phalanx」に長く拘束されていた存在が復讐を求める捕食者となり、来場者はForbidden Valleyに入った時点からその舞台に足を踏み入れる。インタラクティブな目の造形と音響・映像技術、エリア全体の新規テーマ装飾を組み合わせ、乗車時間だけに物語を閉じない設計である。
走行仕様は最高時速50マイル(約80km)、3.4G、4回の完全反転。公式リリースはコークスクリューと急降下も体験要素として挙げる。旧Nemesisは営業期間中に延べ5,200万人以上を乗せ、走行距離は80万マイルを超えたという。新しい軌道には、遠景からも見える赤い意匠が施された。クリーチャーの造形も更新し、待機列から乗車までのエリアに新しい演出を加えた。
設備投資をエリア運営までつなげた再開業
ライド単体の改修では、更新後の性能を知らせるだけでは来場体験は完結しない。Nemesis Rebornでは、Forbidden Valleyへの到着からクリーチャーの存在を認識させ、列車への乗車へ導く一連の接点を更新対象に含めた。100メートル超の触手や赤いラインの入った軌道は、遠景でも改修の視認性をつくる造形であり、近づくほど音響・映像と物語設定が重なる。ハードの置換と空間演出を同じ開業日に合わせることで、休止期間の後に「以前と同じライドが戻る」だけではない到着体験を構成した。
発表は工事規模とライド仕様を中心に紹介している。1日の利用者数と待ち時間は公表していない。投資額と改修後の稼働実績も不明だ。確認できるのは、開業前に1万回の試運転を予定し、走行設備と演出設備を同時に立ち上げたことである。
1994年のコースターを全面改修
Nemesis Rebornは、既存の走行レイアウトを基にしながら、716メートルの軌道を全て交換した。2編成の車両も新調し、クリーチャーの造形とForbidden Valleyの演出を作り直している。
開業後の利用者数や運行休止の頻度は、今回参照した発表では確認できない。新しい走行設備とエリア演出が、開業後にどのように運用されているかを判断する数値は示されていない。