第30回Thea Awards、AURA・Noire・Eatrenalinなどを顕彰
第30回TEA Thea Awardsで顕彰されたAURA、Noire、Eatrenalinの内容と、それぞれが使う表現手法を紹介する。
Themed Entertainment Association(TEA)は、テーマエンターテインメント分野のThea Awardsを毎年選出している。対象は個人に限らず、プロジェクトや技術も含む。第30回の受賞者は2024年3月16日、米カリフォルニア州ハリウッドで開かれた式典で顕彰された。受賞作には大型テーマパークだけでなく、商業施設のアトリウムやAR展示、レストランも並んだ。
商業空間を目的地へ変えたAURA
「Immersive Mall Experience」部門には、中国・海南省海口市のAURAが選ばれた。正式名称は「AURA: The Forest at the Edge of the Sky」。海口国際免税城に設けた常設体験である。Wētā WorkshopはChina Duty Free Group(CDF)とDafengと組み、5層分の高さがあるアトリウムを制作した。空間の幅は50メートルで、海南の自然を題材にした造形や光、音、映像を組み合わせている。
29メートルのLEDスクリーンには、人の影に反応する映像が映る。水のカーテンを手でかき分けるような演出もある。「Tree of Light」は高さ25メートルで、約5,000個の発光球を個別に制御する。全長40メートルのエスカレーターでも、光と音が移動に合わせて変化する。
NoireはARで1955年の実話を伝える
「Extended Reality Exhibit」部門は、AR作品「Colored(Noire)」が受賞した。パリのポンピドゥー・センターで2023年4月21日から5月29日まで公開された作品だ。1955年、米アラバマ州で白人乗客への座席譲渡を拒んだクローデット・コルヴィンの実話を伝える。当時、彼女は15歳だった。
原作はタニア・ドゥ・モンテーニュの伝記エッセー。ステファーヌ・フォアンキノスとピエール=アラン・ジローがAR作品を構想した。来場者はHoloLens 2と骨伝導ヘッドホンを装着する。ボリュメトリック撮影した俳優の姿をホログラムとして表示し、舞台装置や映像、空間音響と重ねて見せた。
Eatrenalinは座席ごと食の場面を移動する
「Experiential Dining Attraction」部門では、ドイツ・ルストのEuropa-Park ResortにあるEatrenalinが選ばれた。創設者はEuropa-ParkのThomas Mack氏と、Marché InternationalのOliver Altherr氏。来場者は「floating chair」と呼ばれる座席に乗り、複数の空間を移動する。料理に香りや音、映像を合わせ、身体で感じる演出も加える。公式案内では、料理と飲み物を組み合わせた8コースを提供し、飲み物はアルコールの有無を選べる。
商業施設、美術館、レストランに広がるThea Awards
三つの受賞作は、それぞれ異なる場所で提供されている。AURAは入場券のない商業施設の共用部、Noireは美術館内のAR展示、Eatrenalinは予約制のレストランだ。Thea Awardsは、施設の種類を限定せず、テーマエンターテインメントとして評価した。
受賞式はハリウッドで開催
第30回Thea Awardsの式典は、TEAの年次イベント「TEA INSPIRE Week」の最終日に開かれた。会場はハリウッドのDolby Ballroom。受賞者の一覧と各プロジェクトの紹介は、TEAの公式デジタルプログラムでも公開された。