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マドリードの水槽内に期間限定バー、潜水しながらカクテルを味わう体験

Hendrick'sが水族館の水槽へヴィクトリア調のバーを設置し、潜水装備を使う少人数イベントを実施した。

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水槽の底に設けられたHendrick's Neptuniaのバー
画像:Hendrick's公式発表動画より(報道引用)

Hendrick'sは2022年5月18日、マドリードの水族館に水中バー「Neptunia Pubmarine」を設置した。限定商品のジン「Hendrick's Neptunia」の発売に合わせた一日限りのブランドイベントで、参加者は潜水装備を着けて水槽へ入った。

Neptuniaは、マスターディスティラーのLesley Gracieがスコットランド沿岸の植物から着想を得た限定商品である。Hendrick'sは海にまつわる商品設定を、広告の背景やパッケージだけで表現せず、試飲する場所そのものへ反映した。

水槽の底にヴィクトリア調のバーを設置

バーは水槽内の砂地に固定し、Hendrick'sの意匠に合わせたヴィクトリア調のカウンターや小物を配置した。参加者はこの企画向けに設計されたスキューバタンクを使い、水中でジントニックを味わう。周囲にはサメ、ウシバナトビエイ、カメなどが泳ぎ、演出上は人魚も加わった。

一般的なポップアップバーの装飾を増やす方法とは異なり、飲む行為そのものを水中へ移した。参加者の安全管理、潜水準備、提供容器まで含め、少人数向けの運営が前提となる。カウンターを水槽へ置くだけでは営業できず、潜水技能を持つスタッフ、水族館側との調整、動物への影響を抑える進行が必要だった。

商品の海洋テーマを身体体験へ

新商品は海を着想源としており、会場も水族館を選んだ。映像では伝えにくい水圧、呼吸音、浮力を、試飲の記憶と結び付けている。参加者が普段とは異なる姿勢でカウンターに向かい、海洋生物が視界を横切る状況まで商品の物語に含めた。

Hendrick'sは同商品の展開に合わせ、海草の保全に取り組む環境団体Project Seagrassとの提携も発表した。水中イベントは発売時の話題をつくる役割を担い、保全活動との連携は海というテーマを継続的な活動へつなぐ役割を持った。ただし、公式発表からはイベント参加が寄付へ直接連動したかどうかは確認できない。

多人数を集めないブランド体験

Neptunia Pubmarineは、一般客を長期間受け入れるチケット制施設ではない。体験できる人数が限られる代わりに、水槽内の映像や写真を配信し、参加していない人にも商品の世界観を伝えた。現地の収容人数より、そこで撮影される光景の独自性を重視した企画といえる。

公式発表には参加人数、一般募集の有無、体験時間は記載されていない。常設施設ではないが、商品の物語に合わせて特殊な場所と行為を設計したブランド体験の事例である。水中で酒類を口にする企画のため、同様の演出をそのまま一般向けに再現できるとは限らない。安全と実施条件を厳しく絞った一日限りのプロモーションとして捉える必要がある。

参加条件や安全手順が公開されていない以上、通常のバーと同じサービスとして評価することもできない。公式映像を通じて広く伝えるために、限られた参加者と特殊な会場を選んだ企画だった。